研究課題
ピルビン酸シャトルを構成する酵素を中心に、解糖系ならびにTCAサイクルを担う酵素の発現抑制細胞を作製し、インスリン分泌ならびにインスリン合成に対する影響を検討した。また、いくつかの遺伝子発現抑制細胞に関しては、メタボローク解析を行い、インスリン分泌や合成に対する影響と照合し、因果関係の可能性を解析した。それらの結果、解糖系下部中間体が増加するような代謝変化を起こした場合に、インスリン含有量が上昇する可能性が明らかになった。また、ATP産生やNADH産生とインスリン分泌との関係は、単純ではないことが明らかになった。その一つの理由は、細胞抽出液におけるATP量を測定する場合、変化を検出するためには、1-2時間のグルコースによる刺激が必要であるが、ATPの変化はよりダイナミックに起こっており、それに伴って、インスリン分泌もダイナミックに起こっているためと考えられた。そこで、インスリン分泌をよりダイナミックにとらえるために、接着培養細胞系における潅流実験系を作製した。その結果、グルコース刺激初期でのATPの増加に伴う分泌が、1-2時間の分泌の大きな割合いをしめており、1-2時間での、ATPやNADHの蓄積とは、相関しない可能性が考えられた。一方、tetraspninC8群遺伝子の役割の検討では、Tspan33のインスリン分泌に対する正の作用のメカニズムを解明するために、他のTspanC8群分子の役割と比較検討した。インスリン分泌細胞において、TspanC8群で最も発現の多いTspan5の発現抑制は、インスリン分泌に影響を与えなかった。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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