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2017 年度 実施状況報告書

体性幹細胞とその分泌因子を用いた世界初の糖尿病性神経障害治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K09851
研究機関愛知医科大学

研究代表者

神谷 英紀  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70542679)

研究分担者 近藤 正樹  愛知医科大学, 医学部, 助教 (00717910)
恒川 新  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40612768)
姫野 龍仁  愛知医科大学, 医学部, 助教 (60753762)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード糖尿病性神経障害 / ヒト乳歯歯髄幹細胞 / 再生医療
研究実績の概要

平成29年度の研究計画としては、骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)からの分泌因子(CM)による脊髄後根神経節神経細胞(DRG neuron)への庇護効果を検証すること、また庇護効果を認める場合、CM由来分泌タンパクとエクソソームのどちらにその効果があるのかを検討することを計画していた。
BM-MSCの選択では、採取が簡便で、神経堤細胞由来で高い再生能力が期待でき、間葉系マーカーと神経幹細胞マーカーを発現していることを特徴としたヒト乳歯歯髄幹細胞(SHED)を用いた。またDRG neuronはC57BL/6Jマウスより初代培養を行うことに成功しており、神経細胞に対する庇護効果は神経突起の伸長により評価できることを確認している。
SHED培養上清は限外濾過法を用いて、培養上清分泌蛋白を100kDa以上、20-100kDa、6-20kDa、6kDa以下の4分画に分けて回収した。また超遠心法によってエクソソームを回収した。
現時点で得られている結果としては、SHED培養上清の添加によって神経突起の有意な伸長を認めたが、エクソソーム添加では認められなかった。分画ごとの検討では、6kDa以下の蛋白分画において神経突起の有意な伸長を認めている。
以上の結果より、SHED培養上清はDRG神経突起伸長作用を有しており、神経に対する庇護作用・再生効果があることが示唆される。分泌因子の検討では、エクソソームは関与しないこと、また6kDa以下の分泌蛋白因子がその効果を有している可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のように、平成29年度に予定された研究は順調に進んでいると考えている。
平成29年度の研究計画においては、幹細胞(今回はヒト乳歯歯髄幹細胞:SHEDを使用)の培養、上清の回収。DRG neuronの初代培養および、SHED上清のneuronへの伸長効果の検証を主要な目的としており、その結果は順調に出ていると判断できる。

今後の研究の推進方策

6kDa以下の分泌蛋白因子が神経突起の伸長効果つまり神経への庇護・再生効果を有していると考えられ、その中でどのタンパクにその効果が強いのかを検証していく予定である。

現在、C57BL/6Jマウスへの腹腔内streptozotocin投与による糖尿病モデルマウスの準備ができている。この糖尿病マウスは経時的に糖尿病性神経障害を呈することが確認されている。今後、SHED上清をこの糖尿病モデルマウスに投与することによる糖尿病性神経障害への効果を、神経機能評価(神経伝導検査や感覚機能検査)および病理学的評価を加えることにより検証する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ヒト乳歯歯髄幹細胞培養上清が糖尿病多発神経障害にもたらす効果の検討2018

    • 著者名/発表者名
      三浦絵美梨、恒川新、成瀬桂子、姫野龍仁、近藤正樹、加藤義郎、神谷英紀、中村二郎
    • 学会等名
      第61回日本糖尿病学会
  • [学会発表] Secreted Factors from Dental Pulp Stem Cells Ameliorated Diabetic Polyneuropathy in Streptozotocin-Induced Diabetic Mice2018

    • 著者名/発表者名
      Emiri Miura-Yura, Shin Tsunekawa, Tatsuhito Himeno, Keiko Naruse, Mikio Motegi, Hiromi Shimoda, Makoto Kato, Yuichiro Yamada, Masaki Kondo, Yoshiro Kato, Hideki Kamiya and Jiro Nakamura
    • 学会等名
      78th American Diabetes Association Scientific Sessions
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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