肥満や糖尿病を背景とした近位尿細管細胞障害の機序のひとつとして、飽和脂肪酸による脂肪毒性や小胞体ストレスの亢進がリソソーム膜を不安定化し、リソソーム膜透過性亢進によるカテプシンBの細胞質への放出により、NLRP3インフラマソームが活性化され細胞死に至ることを示した。また、我々が発見したアディポカインであるバスピンは、これらの経路を抑制して、近位尿細管細胞保護作用を示すことを明らかにした。また、バスピンは近位尿細管細胞においてGRP78, HSPA1Lと結合して細胞内に取り込まれることや、アルブミンによりHSPA1Lの細胞外分泌が増加することなど新たな知見を得た。
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