研究課題/領域番号 |
17K09866
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
井上 郁夫 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60232526)
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研究分担者 |
中野 貴成 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20406474)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | PPARγ1 / SV129マウス / C57Blackマウス / 時計遺伝子 / DBP / E4BP4 |
研究実績の概要 |
我々は、以前から報告されたPPARγ1と異なるプロモータであるエクソンCから転写される、新規スプライシングバリアント(SV)を発見した。PPARγ2と同様脂肪細胞分化誘導に関わることを証明し(Y Takenaka, I Inoue: PLoS One 8:e65583,2013)、この部位特異的ノックアウト(KO)ホモマウスを2系統の遺伝背景が異なるマウスを樹立した。 ①SV129マウス(SV129)の遺伝背景でのエクソンCのKOホモマウスを樹立したところ胎生致死であることが判明した。 ②C57Blackマウスの遺伝背景でのエクソンCのKOホモマウスを樹立したところ胎生致死を認めず正常に成長・成熟することが判明し、エクソンCの脂肪特異的KOホモマウス(Conditional)も、正常に成長・成熟した。 以上、PARγ1のプロモータであるエクソンCのKOホモマウスはSV129マウス(SV129)およびC57Blackマウスの遺伝背景が異なると胎生致死あるいは正常に成長・成熟することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PPARγ1のプロモータであるエクソンCのKOホモマウスはSV129マウス(SV129)およびC57Blackマウスの遺伝背景が異なると胎生致死あるいは正常に成長・成熟することが判明した。C57Blackマウスの遺伝背景でのエクソンCの脂肪特異的KOホモマウス(Conditional)は、正常に成長・成熟した。現在、SV129マウス(SV129)の遺伝背景におけるエクソンCの脂肪特異的KOホモマウス(Conditional)を作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
C57Blackマウスの遺伝背景でのエクソンCのKOホモマウスを樹立したところ胎生致死を認めず正常に成長・成熟することが判明し、エクソンCの脂肪特異的KOホモマウス(Conditional)も、正常に成長・成熟した。 以前からエクソンCには時計遺伝子の重要なD-siteが3か所存在し、時計遺伝子の調節転写遺伝子であるE4BP4、DBPが結合することを、我々は報告(Inoue I:J Atheroscler Thromb 12:169-174,2005、Takahashi S, Inoue I:J Atheroscler Thromb 17:73-83,2010)してきた。今後、時計遺伝子とPPARγとの関わりをin vivoで検討する。なお、E4BP4、DBPはBMAL1/CLOCK 複合体の制御を受け、リズムを持って発現する遺伝子である。
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次年度使用額が生じた理由 |
E4BP4、DBPはBMAL1/CLOCK 複合体の制御を受け、リズムを持って発現する。これら時計遺伝子とかかわる遺伝子をin vivoで評価する必要が生じ、該当年度での実験ができず次年度使用額が生じた。
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