新たに各種分子標的薬耐性株を樹立して、乳癌のドライバーシグナルについて、特に各種分子標的治療薬による変化に着目して解析し、その可塑性と治療耐性獲得のメカニズムを理解することを目的とした。ホルモン療法耐性においてはPI3K/Akt/mTOR経路への依存性の増加が観察され、それらに対する分子標的薬(エベロリムス等)の使用で、MAPK経路など他のリン酸化シグナル経路へのシフトも見られた。細胞周期制御機構を標的とした分子標的薬、CDK4/6阻害薬は多くの他の分子標的薬耐性株に対して増殖抑制効果がみられたが、CDK4/6阻害薬耐性においては、それらとは異なった機序による耐性メカニズムが明らかとなった。
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