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2017 年度 実施状況報告書

エネルギー代謝調節に関わる視床下部-下垂体-甲状腺系の中枢制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09872
研究機関群馬大学

研究代表者

渋沢 信行  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90396622)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード内分泌代謝 / 視床下部 / 甲状腺
研究実績の概要

視床下部-下垂体-甲状腺系(H-P-T axis)は絶食や環境変化に対してエネルギー消費を調節する代謝のホメオスターシスに重要であり、特に視床下部室傍核の甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)がセンターとされてきた。しかしその直接的証明は出来ておらず、その他の視床下部神経核に分布するTRH の関与も明らかでない。今回視床下部の特定の神経核やシグナルに特異的なTRH欠損マウスを作製し、H-P-T axis を調節するTRH の存在部位と意義を証明し、TRH によるエネルギー代謝調節機構を解明していくことを目的としている。すでにTRH flox マウス(TRHKO loxP/loxP)を利用しCre-loxP システムを使って、視床下部発現のSim1-Creマウスとの掛け合わせによる視床下部特異的なTRH コンディショナルノックアウトマウスを作製した。血清TSH、FT4、FT3 の測定、免疫組織化学を用いて、視床下部内のTRH蛋白やmRNA発現を確認し、H-P-T axis に関わる視床下部TRHの重要性を確認することができている。現在結果をまとめつつ発表の準備を進めている。
その解析を進めるとともに、さらに現在、膵β細胞発現のRIP-Creマウスとの掛け合わせを行い、膵内分泌腺ランゲルハンス島特異的なTRHノックアウトマウスを作製し、成長、発達の異常の有無を観察、血糖値やインスリン分泌、耐糖能異常との関係を解析している。視床下部特異的TRHノックアウトマウスとの比較により、代謝全般への影響について検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目的とするGenotypeのコンディショナルノックアウトマウスの出生確立が低く、週齢を一致させてコントロールと比較するために、十分な個数と実験のタイミングを合わせる必要があり、飼育スペースの限りがある中で困難を伴い時間が掛かる。予想外の結果が得られ、その検証のためにもマウスの条件をそろえる必要がある。

今後の研究の推進方策

各臓器特異的TRHノックアウトマウスについて表現型の解析を行っていく。現在解析を遅らせているbreedingの効率を上げて条件を整えたうえで、体重、血糖など代謝の基礎値を測定するとともに、糖負荷試験や栄養の負荷などを行い糖代謝や脂質代謝の評価を行う。
Creマウスに関して、発現のリークがある場合、目的の臓器特異的なノックアウトにならず目的とする臓器特異的な機能評価とならないため、並行してTRHの発現特異性の評価も各種方法により検証していく。新たな臓器や脳神経核特異的なCreマウスとの掛け合わせも検討している。

次年度使用額が生じた理由

研究施設内の共同研究により現存のCreマウスとの交配で研究を進めることができ、外部施設より有償でのトランスジェニックマウス購入をまだ行っていないため。今後、解析の進み具合、目的に対して条件の不整合が生じた場合には、新たなトランスジェニックマウスを外部よりの購入を行う予定としている。

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公開日: 2018-12-17  

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