研究課題
肥満症の増加は社会的な問題であり、治療薬開発は喫緊の課題である。Fibroblast growth factor 21(FGF21)は抗肥満作用を持ち臨床応用が期待されているが、その作用機序として視床下部 Corticotropin-releasing hormone(CRH)を介した経路が注目されている。これまで申請者は視床下部-下垂体-副腎系と肥満の関連につき研究してきたが、本研究は FGF21の中枢神経を介した作用機構、特に視床下部 CRHとの関連を解明することを目的とする。これらの基礎的研究を通して、FGF21作用機序を明らかにすることにより、肥満症に対する新規治療法開発に発展させることを目標とする。当初は ①食餌性肥満を誘導した CRH欠損マウスに対する FGF21全身投与の解析 および ②レプチン・CRHダブルノックアウトマウスに対する FGF21 全身投与の解析を予定していた。しかしながらマウス交配不調のために、レプチン・CRHダブルノックアウトマウスの作出に難渋し、人工授精による個体数の確保をトライしたものの、十分な解析結果は得られなかった。本研究では、個体レベルでの FGF21中枢神経作用発現のために CRHが必要であるか否かを明確にするには至らなかった。また ③FGF21による CRH遺伝子発現調節機構の解明、および ④野生型マウスに対する FGF21全身投与による視床下部トランスクリプトーム解析についても実施したが、いずれも明確な結論を得ることはできず、FGF21標的遺伝子の同定には至らなかった。
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