研究課題/領域番号 |
17K09885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
野村 政壽 久留米大学, 医学部, 教授 (30315080)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ミトコンドリアダイナミクス / 糖尿病 / DRP1 / インスリン感受性 / 小胞体ストレス / オートファジー / 慢性炎症 / NASH |
研究成果の概要 |
ミトコンドリアは生体の栄養状態(同化/異化)を感知し、常に融合・分裂のバランスを変化させ、動的にその構造を変化させている。このミトコンドリアダイナミクスは、エネルギー代謝(ATP産生)や慢性炎症に関与している。すなわちミトコンドリアダイナミクスは肝細胞においてエネルギーセンサーとして機能し、FGF21発現を介して、脂肪組織、骨格筋でのインスリン感受性を上げるなど全身の代謝調節を行っている。また、ミトコンドリアダイナミクスはオートファジーを介して自然免疫を制御し、その障害により慢性炎症が生じることを明らかにした。ミトコンドリアダイナミクスは代謝と炎症をつなぐ分子メカニズムである。
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自由記述の分野 |
内分泌代謝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我国は高齢社会を迎え、糖尿病、肥満、NASHといった生活習慣病が急増し、その克服は健康寿命の延伸に不可欠である。過栄養の結果、自然免疫応答により慢性炎症が生じる。本研究は、代謝恒常性維持機構をオルガネラネットワークの視点から捉えた極めて独創性が高い研究であり、ミトコンドリアダイナミクスが生活習慣病に共通の分子基盤である慢性炎症を制御していることを明らかにした。ミトコンドリアダイナミクスが広範な細胞機能を制御し、生命現象の基盤をなす動作原理である。ミトコンドリアダイナミクスを標的とした生活習慣病の予防法さらには革新的医薬品開発につながる蓋然性が極めて高く、社会的意義も大きい。
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