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2017 年度 実施状況報告書

新たなゲノム創薬手法による新規2型糖尿病治療標的の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K09886
研究機関琉球大学

研究代表者

今村 美菜子  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00596124)

研究分担者 前田 士郎  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50314159)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード2型糖尿病 / ゲノム創薬
研究実績の概要

通常飼育のC57BL/6マウス(6週令)を用いて、KIF11阻害剤であるIspinesibおよびSB743921 の投与量、投与方法の検討を行った。過去の報告に基づいた投与量(4日に1度、計3回, 1回の投与量 10mg/kgBW 腹腔内投与)では一部のマウスに急激な体重減少がみられた。そこで1回の投与量 5mg/kgBWあるいは1mg/kgBWに調節し、vehicle(V)投与群を含めた5群[V群, Ispinesib 1mg/kgBW投与(Isp-1) 群, Ispinesib 5mg/kgBW投与(Isp-5), SB743921 1mg/kgBW投与(SB743921-1)群, およびSB743921 5mg/kgBW投与 (SB743921-5) 群, それぞれn=3]で経過を観察した。投与開始から14日間の経過中5群間に体重の差は観察されず、これらの投与量では全身状態に明らかな影響は与えないと考えられた。グルコース負荷試験(D-glucose 2g/BW腹腔内投与)ではIsp-5群および SB743921-5群はV群と比較し、血糖値の曲線下面積(AUC)は低い傾向を示した(AUC;V群 46258±6282, Isp-5群 41763±4301 (vs V群, p=0.46) SB743921-5群38328±5053 vs V群p=0.24)。糖負荷試験におけるインスリン値はIsp-5群およびSB743921-5で低い傾向でありAUC;V 21.4±8.0 、Isp-5 15.3±1.6 ( vs V, p=0.39) SB743921-5 16.1±1.65 (vs V,p=0.44)、インスリン負荷試験では30分値(%0分値)がVで0.79±0.07、Isp-5で0.47±0.076(p<0.01)であったことから、KIF11阻害剤はインスリン感受性の改善を介した糖代謝改善効果を持つ可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画ではKIF11阻害剤、GSK3B阻害剤, AP-1阻害剤のそれぞれの薬剤をC57マウスに投与し、通常飼育下での耐糖能への影響および忍容性を含めた予備検討を初年度に行う予定であったが、当該年度中に予備検討が終了したのはKIF11阻害剤のみであり、GSK3B阻害剤, AP-1阻害剤については、予備検討を進めているが完了していない。以上より当初の計画よりやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

今後はKIF11阻害剤に加え、GSK3B阻害剤, AP-1阻害剤の通常飼育下でのC57マウスへの投与を行い、耐糖能への影響および忍容性の評価を完了する。また、
KIF11阻害剤の効果については、十分な数のC57マウスを用いた検証およびを肥満モデルマウスにおける糖代謝改善効果の検証も行う。さらに摘出臓器における遺伝子発現パターンを解析し、詳細な分子機構を解明する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)動物実験実施計画が当初の予定よりやや遅れたため、当初計画していたマウスの購入および試薬の購入のための物品費の一部を次年度に繰り越すこととなった。
(使用計画)次年度は次年度予定使用額とあわせ、当該年度および次年度の研究計画遂行のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 2型糖尿病ゲノム研究の現状~疾患感受性遺伝子Update 2018~2018

    • 著者名/発表者名
      今村 美菜子
    • 学会等名
      第52回糖尿病学の進歩 (福岡) 平成30年3月2-3日
  • [学会発表] 2型糖尿病ゲノム研究の現状とその臨床応用~新しいゲノム創薬の可能性~2017

    • 著者名/発表者名
      今村 美菜子
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会九州地方会 (宮崎) 平成29年10月13日―14日

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公開日: 2021-01-27  

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