本研究で樹立に成功した抗肥満高耐糖能マウスは、糖負荷によって著しく血糖値が上昇したり、高脂肪食負荷によって過度の肥満を呈したりする従来の疾患モデルマウスとは異なり、これらの負荷条件下でも恒常性を維持できる高い適応力を持っている。このことから、糖尿病や肥満症の発症・進行の研究において、新しいタイプのモデル動物としての利用が期待される。さらに、本研究から抗肥満高耐糖能マウスの責任遺伝子を明らかにすることができたため、遺伝子レベルで基礎研究を進めることが可能となった。したがって、抗肥満高耐糖能マウスを用いた研究成果は、今後、新たな創薬ターゲットや治療戦略の創出にも繋がることが期待される。
|