申請者らは、昨年度にひき続き、δEF1 遺伝子を組織特異的あるいは時期特異的に欠損させることが出来るδEF1 flox マウスと、Six3-cre(間脳の漏斗、その後の下垂体後葉組織でcre を発現する)と交配することにより、δEF1 の後葉あるいは前葉特異的なcKO を行った。これらの下垂体における表現型と、単純なコンベンショナルなδEF1 KO の表現型を比較検討した。まず通常のH.E.染色を用いて観察したが、昨年度と今年度のコンディショナルKOのサンプル数を合わせても、現在までの結果では、コンベンショナルなノックアウトマウスに見られた表現型は観察されていない。この結果はおそらくSix3プロモーターにドライブされるCreの発現領域(あるいは細胞)が、δEF1の発現領域(あるいは細胞)と重なっていないか、若しくは、δEF1のfloxアレルの欠損効率が悪い可能性が考えられる。今後はこの点に関して詳細に検討する必要がある。
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