研究課題/領域番号 |
17K09898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小原 直 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70422178)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 造血不全 / Nestin / 造血支持細胞 / GFAP / 骨髄異形成症候群 |
研究成果の概要 |
近年、造血支持細胞は多くの種類が報告されているが、神経幹細胞マーカーであるNestin発現細胞やシュワン細胞細胞が骨髄中に存在し、造血を支持していることが明らかとなっている。本研究では、骨髄異形成症候群(MDS)におけるNestin発現細胞、シュワン細胞のマーカーであるGFAP発現細胞を解析した。一部のMDSにおいて、Nestin発現細胞・GFAP発現細胞が著明に増加していた。これらの症例を網羅的に遺伝子変異解析をおこなったが特異的な遺伝子異常は見つからなかった。Nestin発現細胞が増加している骨髄では、高度な繊維化を認めており、造血支持細胞の異常と骨髄繊維化に関係性があると考えられた。
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自由記述の分野 |
血液学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨髄異形成症候群(MDS)をはじめとした造血不全は最も治療困難な疾患の一つであり、輸血依存となることも多く、医療のみならず社会的・医療経済上も影響が大きい疾患である。メチル化阻害剤などが試みられているが、いまだ根治的治療については造血幹細胞移植以外ないのが現状であり、高齢者・ドナーのいない患者などでは治療に苦慮することも多い。 今回、我々は繊維化を伴うMDSについて、造血支持細胞の異常が関与していることを示した。また、マウスモデルにおいても造血支持細胞の異常によって赤血球造血が障害されることを示した。今後、新たな予後因子の決定・繊維化をターゲットにした新規治療法の開発などへの展開が期待できる。
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