原因不明な様々な好酸球増加症は好酸球増多症候群(HES)と総称される。一部のHESにはチロシンキナーゼ阻害剤イマチニブが有効な例が存在するがその分子メカニズムは不明である。本研究は様々な原因の好酸球増多症患者の末梢血血球を用いて、病態に関連する異常な遺伝子発現量をPCR アレイ法によりスクリーニングし、デジタルPCR 法により少量mRNA量を測定するHESの診断性および治療反応性予測のバイオマーカーの開発を試みた。数人のイマチニブが有効なFIP1L1-PDGFRA陰性HESではイマチニブが標的とする単一あるいは複数の遺伝子発現量が亢進し治療反応性バイオマーカーとなる可能性が示唆された。
|