研究課題/領域番号 |
17K09915
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加藤 貴康 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20646591)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / NOTCHシグナル / 炎症 / 骨髄環境 |
研究実績の概要 |
本研究は血液がんである急性骨髄性白血病(AML)を対象としている。腫瘍細胞(白血病細胞)と骨髄微小環境(骨髄ストローマ細胞)との相互作用を分子レベルで解明することで治療標的を同定し、最終的には難治性白血病を克服することを目的としている。本研究計画時において、AMLでは微小環境との相互作用という視点では目立った研究報告がなされていなかった。申請者グループは、発生・分化・増殖など細胞の運命決定に重要な役割を果たすNOTCHシグナルについて、造血器を中心に研究を行ってきた。本研究では骨髄ストローマ細胞におけるNOTCHシグナル減弱がAMLに与える影響について解析を行っている。平成30年度はヒト研究のためにAML患者骨髄からの検体収集を継続している。現在検体収集は順調に進行している。一方マウス研究では骨髄ストローマ細胞でのNOTCHシグナル抑制がAML発症を支持する機構の解析を行った。骨髄ストローマ細胞でのNOTCHシグナルの減弱は炎症状態を励起する可能性が高く、NOTCHシグナルを欠損させた骨髄ストローマ細胞とAML細胞を共培養すると、AML細胞の増殖能が亢進する事を確認した。次に白血病融合遺伝子導入により作製したマウス白血病細胞を野生型マウスもしくは全骨髄ストローマ細胞でNOTCHシグナルが抑制されたホストマウスに移植し、白血病発症の有無等につき観察をおこなった。NOTCHシグナル抑制マウスは野生型マウスと比較して、移植後極早期に死亡することを確認した。死因に関しては白血病以外の要因が示唆されたため、現在NOTCHシグナルを特異的骨髄ストローマ細胞で減弱させるマウスを作成し、急性骨髄性白血病と骨髄微小環境の相互作用を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
白血病融合遺伝子導入により作製したマウス白血病細胞を野生型マウスもしくは骨髄ストローマ細胞でNOTCHシグナルが抑制されたホストマウスに移植し、白血病発症の有無等につき観察をおこなった。NOTCHシグナル抑制マウスは野生型マウスと比較して、移植後極早期に死亡することを確認した。研究計画時は白血病が早期に発症することが予想されたが、死因に関しては白血病以外の要因が示唆された。今後は特異的な骨髄ストローマ細胞でNOTCHシグナルを欠損させるマウスを作成し、白血病発症の有無につき検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
NOTCHシグナルを特異的骨髄ストローマ細胞(Nestin陽性細胞)で欠損させるマウスを作成した。 上記マウスの正常造血の解析をおこなった際に、Nestin陽性骨髄ストローマ細胞(骨髄微小環境)におけるNOTCHシグナルが赤血球生成の維持に関与している結果が示唆されたため、現在論文を投稿中である。 またNestin特異的NOTCHシグナル欠損マウスをホストマウスとして、急性白血病融合遺伝子導入細胞を移植し白血病発症等の有無につき検討予定である。
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