研究課題/領域番号 |
17K09916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 陽一 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10345209)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 多発性骨髄腫 / HDAC阻害 / AKT阻害 / ADCC / NKG2D / GSK-3 / IKZF1 |
研究成果の概要 |
HDAC阻害がセレブロン非依存性のIKZF1の低下をもたらし抗腫瘍効果を示した。IKZF1はADCC活性に重要なNKG2DリガンドMICA発現を抑制するが、HDAC阻害でIKZF1発現低下を介しMICAの発現を増強し治療抗体のADCC活性を増強することを示した。骨髄腫414症例の解析でMICAの高発現により有為に生存率が高くなった。細胞内シグナル分子GSK-3のリン酸化によるc-Myc分解抑制がレナリドミド耐性をもたらし、AKT阻害薬はGSK-3リン酸化阻害によりレナリドマイド耐性を克服した。以上よりHDAC+AKT阻害は抗腫瘍効果と免疫賦活化で難治性を克服する可能性を明らかにした。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫は、プロテアソーム阻害薬・IMiDs (immunomodulatory drugs)などの新規薬剤の導入により、生存率の改善がみられている。一方で、プロテアソーム阻害薬・IMiDsの両方に抵抗性を示すdouble refractory症例に対する治療は困難なことが多く有効な治療法の開発が急務となっている。悪性腫瘍の再発・難治化には腫瘍免疫からの回避(escape)が深く関与する。本研究によって得られた知見は、HDAC阻害薬を含む低分子化合物により細胞内シグナル修飾などによる抗腫瘍効果と免疫賦活化の両面から造血器腫瘍の難治性を克服する新規治療法の開発の基盤を形成すると考えられる。
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