成人T細胞白血病(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって引き起こされるCD4陽性T細胞の白血病である。我々は、HTLV-1のTax蛋白に結合する細胞因子として、ubiquitin-specific protease 10 (USP10)を同定した。ATL細胞において、USP10の発現を低下させると、プロテアソーム阻害薬処理により誘導されるアポトーシスが促進され、USP10がATL細胞の生存活性を高めることが示された。この分子機構の解析の中で、USP10が細胞毒性を示すユビキチン化蛋白を凝集させてアグリソームを形成し、その毒性を不活化することが明らかとなった。
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