研究課題/領域番号 |
17K09922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
島田 和之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50631503)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 悪性リンパ腫 / 微小環境 / 腫瘍関連線維芽細胞 / 臓器指向性 |
研究成果の概要 |
悪性リンパ腫の節性病変において、腫瘍関連線維芽細胞(CAF)がピルビン酸やエクソソームを分泌することにより、腫瘍細胞の糖代謝を亢進させ、その生存支持に関与していることを明らかにした。催吐薬であるemetineが、腫瘍細胞の糖代謝を阻害することにより、難治性B細胞リンパ腫細胞に対して治療効果を示すことを明らかにした。さらに、エクソソームが、抗ピリミジン薬の膜輸送タンパクの発現変化を通して、抗ピリミジン薬の感受性変化に関与していることを明らかにした。節外病変形成においては、中枢神経病変特異的に発現する遺伝子を同定し、当該遺伝子が中枢神経病変形成に関与していることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性リンパ腫の節性病変におけるCAFについては、知見がそれほど集積しておらず、CAFより分泌されるピルビン酸およびエクソソームが、腫瘍細胞への生存に関与していることを明らかにしたことには学術的意義があると考えられる。さらに本研究では、エクソソームが、抗ピリミジン薬の膜輸送タンパクの発現変化を通して、その感受性に関与し、実際の臨床検体においても、膜輸送タンパク発現が抗ピリミジン薬の感受性予測因子となり得ることを示した。抗ピリミジン薬は、悪性リンパ腫診療における救援療法のキードラッグの一つであり、膜輸送タンパク発現を評価することにより、実際の診療における適切な治療選択に有用となる可能性がある。
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