ヒトT 細胞白血病ウイルス(HTLV-1)により発症する成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の分子病態を再現したマウスモデルの作成と解析を行った。HBZトランスジェニックマウス(HBZ-Tg)では慢性炎症が認められ、生後48週までに約10%のマウスにリンパ節腫脹が認められた。ドライバー変異であるCARD11変異を導入したマウスでは、生後半年で約5割にリンパ節腫大を認めた。HBZとCARDの2重異常マウスでは、生後半年で約7割にリンパ節腫大を認め、全身諸臓器へのT細胞浸潤と生存短縮を認めた。これらのモデルを基盤にして、ATLの病態解明およびドライバー変異を標的とした新規治療法探索を継続中である。
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