多発性骨髄腫の薬剤耐性獲得における骨髄微小環境の役割と機序の解明は重要な課題である。本研究では骨髄腫細胞が骨髄微小環境において、1)Toll様受容体CD180発現が亢進していること、2)LPS刺激が増殖を誘導すること、3)CD180遺伝子が転写因子Ikarosにより転写活性化されること、4) 免疫調節薬がCD180発現抑制を介してLPSによる増殖を抑制すること、5)免疫調節薬が感染をきっかけとした病態悪化の予防に有効なこと、を明らかにした。これらの結果から、感染予防と免疫調節薬の継続的な服用が骨髄腫患者の生存率改善に有効となる可能性が示唆された。
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