研究成果の概要 |
マウスモデルを用いて, マクロファージ-筋線維芽細胞系を標的とした慢性GVHDの線維化治療法を開発した。抗CSF-1抗体によってマクロファージを除去して, 線維化治療が可能であることを示した。HSP47 siRNA含有ビタミンA結合リポソーム(VA-lip HSP47)を用いて, 筋線維芽細胞を特異的に標的とした慢性GVHD治療法を開発した。VA-lip HSP47の全身投与は, 皮膚・唾液腺・涙腺などの線維化を抑制した。さらに, VA-lip HSP47の点眼によって, 涙腺線維化やdry eye syndromeを抑制する局所療法も開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同種造血幹細胞移植の技術の進歩により, より多く移植が行われるようになり, より多くの移植患者の長期生存が可能となっている。そのため慢性GVHDによる生活の質の低下を防ぐことはより重要になっている。本研究では, 免疫抑制剤を使用せず線維化のメカニズムを標的にした新しい慢性GVHD治療法を開発した。これにより, 感染症や腫瘍の再発を増加させずに, 慢性GVHDの治療を行える可能性がある。
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