研究課題/領域番号 |
17K09952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土居 由貴子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60722288)
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研究分担者 |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60403200)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 造血幹細胞 / リンパ球初期分化 / SATB1 |
研究成果の概要 |
2016年度までの研究において作製したSATB1レポーターマウスを用い、造血幹細胞におけるSATB1発現強度別に検討した。発現強度上昇に正比例してリンパ球系分化の能力は高くなる一方で自己複製能力も保たれた。一つの造血幹細胞から自己複製した細胞集団のSATB1発現強度は、ドナー細胞のそれに関わらず多様であり、リンパ球に分化しやすい”lineage-biased”な造血幹細胞を、SATB1発現量を指標にして区分できることを示した。以上の研究成果は、学術雑誌Cell Reportsに論文掲載された(Doi et al. Cell Rep. 2018,12;23(11):3223-3235.)。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の身体は、造血幹細胞が自己複製能力と多分化能力の両方を備えているために、生涯にわたる造血を行うことができる。その二つは相反した性質であり、細胞内部の経時的な変化無くしては実現できないが、その仕組みは分かっていなかった。我々は、造血幹細胞のSATB1発現強度が高い際にはリンパ球系へ分化しやすく、かつ自己複製する過程において、SATB1発現強度の異なる、即ち分化能力の異なる遺伝子発現状態を取りうるとことを示した。このことは数学・物理学的な観点から計算によって示されており、我々の研究は、それを実際の生命現象を通して観察することに成功した。
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