研究課題
免疫調節薬(IMiDs)とゾレドロン酸を用いて増幅したTh1様γδT細胞を用いて、抗骨髄腫活性について検討した。Th1様γδT細胞は、RPMI8226細胞、KMS-11細胞のSP(side population)を減少させ、またSCIDマウスの皮下にluciferase導入RPMI8226細胞を皮下移植したモデルにおいて、Th1様γδT細胞は腫瘍形成抑制効果を認めた。以上からIMiDsおよびゾレドロン酸を用いて誘導したγδT細胞は腫瘍前駆細胞や薬剤耐性細胞集団に細胞傷害活性をもたらすことが示唆された。続いてγδT細胞の抗骨髄腫活性を高める併用薬を検討した。HDAC阻害薬であるpanobinostatは、骨髄腫細胞表面のNKG2Dリガンド(MIC A/B、ULBP)の発現を増強させ、γδT細胞との併用による抗骨髄腫活性を増強させた。Pim阻害薬であるSMI-16aは、骨髄腫細胞のHSP70の発現を誘導させるが、ICAM-1やPVRの発現は保たれており、SMI-16aで処理した骨髄腫細胞を洗浄し、IMiDs(LEN, POM)を用いて誘導したγδT細胞と共培養したところ、SMI-16aとγδT細胞との併用による抗骨髄腫作用の増強効果を認めた。一方で、骨髄間質細胞とγδT細胞とを共培養するとγδT細胞のPD-1 mRNAの発現は増強し、panobinostatとLENは骨髄腫細胞表面のPD-L1発現を増加させた。以上からIMiDおよびpanobinostatとγδT細胞を用いた免疫療法において、抗骨髄腫活性をさらに増強させるためには、抗PD-1阻害抗体や免疫チェックポイント阻害薬との併用が検討課題として考えられた。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Oncotarget
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10.18632/oncotarget.26726
British Journal of Haematology
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