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2018 年度 実施状況報告書

ヒト造血幹細胞支持因子の同定と支持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09962
研究機関関西医科大学

研究代表者

松岡 由和  関西医科大学, 医学部, 助教 (70533420)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード造血幹細胞 / 骨髄間質細胞
研究実績の概要

本年度においては、CRISPR/Cas9 systemを用いて、高度に濃縮されたヒト造血幹細胞から遺伝子をノックアウトする技術の手法の改善を行った。
具体的には、Cas9タンパク質の導入法を、従来のプラスミドベクターからリボヌクレオタンパク質(RNP)複合体を用いる方法に変更した。さらに、Cas9タンパク質導入後の培養時に用いる培地を市販の無血清培地から、自家調整の培地に変更した。これらの変更により、造血幹細胞からの遺伝子ノックアウト効率が飛躍的に改善した。予備的検討として、ヒト造血幹細胞のマーカーである、CD34抗原のノックアウトを行ったところ、CRISPR/Cas9導入後わずか72時間後の解析において、およそ50%の細胞でCD34抗原の欠失が認められた。従来のプラスミドベクターを用いた際のCD34抗原のノックアウト効率は10%程度であったことを考えると、今回の技術改良は本研究を進めるうえで、非常に有用であることと考えられた。この方法を用いると、非常に短時間に目的遺伝子をノックアウト可能であることから、培養下でのヒト造血幹細胞活性の損失が最小限に抑えられ、ヒト造血幹細胞支持因子およびその受容体の機能解析をin vitroおよびin vivoで正確に評価できるものと考えられる。
一方で、ヒト造血幹細胞に対する結合性を有する抗体ライブラリーを用いた、ヒト骨髄間質細胞によるヒト造血幹細胞支持能の阻害抗体のスクリーニングも予定通り進行しており、今後、候補抗体の認識する抗原を、質量分析で同定した後、上記CRISPR/Cas9 systemを用いてその機能を解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

技術的な問題点もなく、当初の計画の通り進展している。

今後の研究の推進方策

すでに見出している、造血幹細胞支持能に対する阻害活性を有するクローンの抗原の同定を行い、当該抗原をCRISPR/Cas9 systemによりノックアウトすることで、その機能解析を進める。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] One-Year Observation of the SCID-Repopulating Cell Activities of Human Cord Blood-Derived CD34-Positive and -Negative Hematopoietic Stem Cells2019

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka Yoshikazu、Sumide Keisuke、Sonoda Yoshiaki
    • 雑誌名

      Stem Cell Reviews and Reports

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The number of CD34+CD133+ hematopoietic stem cells residing in umbilical cord blood (UCB) units is not correlated with the numbers of total nucleated cells and CD34+ cells: a possible new indicator for quality evaluation of UCB units2018

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka Yoshikazu、Nakamura Fumiaki、Hatanaka Kazuo、Fujioka Tatsuya、Otani Satoshi、Kimura Takafumi、Fujimura Yoshihiro、Asano Hiroaki、Sonoda Yoshiaki
    • 雑誌名

      International Journal of Hematology

      巻: 108 ページ: 571~579

    • DOI

      10.1007/s12185-018-2502-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヒト臍帯血由来造血幹細胞の陽性分子マーカーとしてのGPI-80抗原の有用性2018

    • 著者名/発表者名
      松岡 由和、薗田 精昭
    • 雑誌名

      サイトメトリーリサーチ

      巻: 28 ページ: 13~17

    • DOI

      https://doi.org/10.18947/cytometryresearch.28.2_13

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A revised road map for the commitment of human cord blood CD34-negative hematopoietic stem cells2018

    • 著者名/発表者名
      Sumide Keisuke、Matsuoka Yoshikazu、Kawamura Hiroshi、Nakatsuka Ryusuke、Fujioka Tatsuya、Asano Hiroaki、Takihara Yoshihiro、Sonoda Yoshiaki
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41467-018-04441-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] CRISPR/Cas9システムを用いたヒト造血幹細胞におけるCD34抗原の発現意義の解析2019

    • 著者名/発表者名
      松岡由和, 角出啓輔, 中塚隆介, 白水泰昌, 藤岡龍哉, 薗田精昭, 服部文幸, 人見浩史
    • 学会等名
      第18回日本再生医療学会総会
  • [学会発表] ニッチ機能を持つヒト骨髄間質細胞による造血幹細胞支持機構の解析2018

    • 著者名/発表者名
      松岡由和、薗田精昭
    • 学会等名
      第28回日本サイトメトリー学会
  • [学会発表] 重症免疫不全マウスにおける継代移植を用いないヒト造血幹細胞活性の長期解析2018

    • 著者名/発表者名
      松岡由和、角出啓輔、中塚隆介、藤岡 龍哉、薗田精昭
    • 学会等名
      第28回日本サイトメトリー学会
  • [学会発表] Automatic discrimination system for hematopoietic tumor-derived cell lines using Machine Learning2018

    • 著者名/発表者名
      松岡由和
    • 学会等名
      第77回日本癌学会
  • [学会発表] 機械学習による血球細胞の自動判別システム2018

    • 著者名/発表者名
      松岡由和, 中塚隆介, 藤岡龍哉
    • 学会等名
      第80回日本血液学会

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公開日: 2019-12-27  

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