研究課題/領域番号 |
17K09964
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
牧野 雄一 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90345033)
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研究分担者 |
川口 鎮司 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (90297549)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 低酸素誘導性転写因子 / 一塩基多型 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
膠原病に伴う肺高血圧症の発症機序・病態について、我々は、低酸素応答抑制分子IPAS/HIF-3α遺伝子多型が膠原病性肺高血圧症患者に高頻度で認められる事を発見し研究を展開している。本研究はIPAS/HIF-3α遺伝子多型が膠原病性肺高血圧症の発症進展に①どの程度寄与するか②いかなるメカニズムで寄与するかを解明し、膠原病性肺高血圧症の病態におけるIPAS/HIF-3αシグナルの意義を究明することを目指す。③膠原病性肺高血圧症の従来未知の分子病態モデルを提唱し、新たな治療法開発の分子基盤を確立することを最終的な目標とする。本研究の具体的な遂行計画は、A) 膠原病性肺高血圧症患者におけるIPAS/HIF-3α遺伝子多型の解析、B) 膠原病性肺高血圧症患者で認めたIPAS/HIF-3α遺伝子多型が分子機能に与える影響の解析、C) IPAS/HIF-3α遺伝子多型がもたらす病的形質のIn vivo解析とその是正法開発の分子基盤の構築である。今年度は以下の知見が得られている。1)SNP導入IPAS/HIF-3αが低酸素誘導性遺伝子、AP-1標的遺伝子発現に与える影響について明らかにするためSNP導入IPAS/HIF-3α発現肺動脈内皮細胞を用いたマイクロアレイ解析を行った結果、遺伝子基礎転写制御系の発現に変化が現れていた。低酸素、AP-1との関連について詳細な検討を進めている。2)SNPによるIPAS/HIF-3α二量体形成能制御メカニズムのFRET法を用いた解析の予備検討を進め、IPAS/HIF-3αとHIF-1βとの間に分子間FRETが存在することを確認した。3)ゲノム編集技術によるIPAS/HIF-3α遺伝子破壊動物作成の準備を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロアレイを用いた網羅的解析の展開。FRET解析の予備検討の進展。ゲノム編集技術による遺伝子破壊動物作成の着手
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに推進するが、特に動物モデルの作成が先行できる場合は予定を早めて着手する
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次年度使用額が生じた理由 |
主に研究計画1-1)TaqMan SNP Genotyping Assayによるハイスループット解析に関わる研究の展開がやや遅れたため次年度使用額が生じたと思われる。次年度は当該研究を含めた研究を合わせて平成30年度以降に行うと計画した研究を展開する。
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