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2017 年度 実施状況報告書

肺動脈性肺高血圧症における2型自然リンパ球の役割

研究課題

研究課題/領域番号 17K09965
研究機関東北大学

研究代表者

城田 祐子  東北大学, 大学病院, 助教 (20455819)

研究分担者 石井 智徳  東北大学, 大学病院, 特任教授 (10282138)
藤井 博司  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30531321)
藤原 亨  東北大学, 大学病院, 講師 (60333796)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード肺動脈性肺高血圧症 / 2型自然リンパ球 / 転写因子GATA2
研究実績の概要

私たちは, GATA2コンディショニングノックアウトマウスを樹立した. GATA2floxマウスはGATA2のDNA結合に重要なエクソン5の両端にfloxを入れており、そのマウスにER-Creマウスと掛け合わせる. マウスのER-Creは細胞特異的なプロモーターで制御されてなく、エストロゲン(タモキシフェン)投与によりGATA2のエクソン5が欠損することで全身のGATA2の機能欠損を来たす. 以下の4つの条件で比較検討することとした。flox/flox, flox/flox-ER-Cre,マウスにおいてそれぞれ、タモキシフェンの導入または、非導入(PBS導入)で比較検討した. 生後10-12週のマウスを, 低酸素室(10%酸素)で飼育し, タモキシフェンを腹腔内投与しday 20-22に肺動脈性肺高血圧症の誘導の有無を解析した. 肺病変は、肺動脈のリモデリングの有無や, 炎症細胞浸潤の程度をスコアリングをする. 心臓は, 右心負荷の有無を評価した. GATA2-KOマウスでは,一部, 肺動脈の弾性板が解離しており,この解離の程度を100カ所の動脈で確認し,リモデリングの指標とした.
ヒトの肺動脈性肺高血圧症症例のGATA2や自然リンパ球に関する遺伝子解析も進めている。DNAおよび血清・血漿・末梢血単核細胞を保存している。一部の検体でLin-CD127+ ILC2 を,さらにIL-33R ないしCRTH2 陽性のサブセットに分けて、フローサイトメトリーで評価を試みている。(Lin-= CD3,CD4, CD8, CD19, CD56, CD14 neg)。しかし、末梢血中では、ごく限られた分画であり、評価に難渋している。ILC2に関与する転写因子GATA3の発現をみるなど、細胞レベルでなく、遺伝子レベルでの解析が必要となる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

flox/flox, flox/flox-ER-Cre,マウスを飼育しているが, ある程度の数が育たないと、実験を進められない。
ヒトのII型自然リンパ球(ILC2)は、皮膚、肺、脂肪組織に多く存在するが、末梢血における、II型自然リンパ球の割合は、非常に少ないため、これを抽出して機能解析するのは難しいかも知れない。

今後の研究の推進方策

マウスの研究に関しては、flox/flox, flox/flox-ER-Cre,マウスを引き続き飼育し、上記の条件下で肺高血圧症お誘導を試みる。これまでにも、肺高血圧症を誘導したいくつかの検体で、肺組織を摘出し、保存してあるので、免疫染色にて、GATA2, GATA3, ILC2の分布の確認を試みる。
ヒトのPAH症例のGATA2や自然リンパ球に関する実験は、細胞数が少なく、培養などでの機能的解析が難しい可能性がある。この場合、遺伝子解析も進めていく。具体的には、ヒト染色体の30億の塩基対の内、99.9%は個人間で塩基配列は同じで、残り0.1%の塩基配列で個人間の差があります。                    この約1,000塩基対に1つ程度の変異をSNPと呼ぶ。これまでに東北大学では約2000症例の健常者の全ゲノム解析が終了している。これらの健常者とPAH症例のGATA2、ILC2に関連する遺伝子を解析し、連鎖解析などを行い、GATA2やILC2の発現の意義について検討する。なお、当院の循環器内科との共同研究により、ヒトPAH症例における遺伝子解析の倫理審査は承認済である。

次年度使用額が生じた理由

理由:現在、実験の検体やデータを収集している段階であり、当初予定した解析費用や成果発表のための旅費を執行できなかったため。
使用計画:実験データの解析費用及び成果発表のための旅費として平成30年度請求額と合わせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Takayasu Arteritis Coexisting with Sclerosing Osteomyelitis.2018

    • 著者名/発表者名
      Shirai T, Hanaoka R, Goto Y, Kojima I, Ishii Y, Hoshi Y, Fujita Y, Shirota Y, Fujii H, Ishii T, Harigae H.
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.0329-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multicenter double-blind randomized controlled trial to evaluate the effectiveness and safety of bortezomib as a treatment for refractory systemic lupus erythematosus2018

    • 著者名/発表者名
      Ishii T, Tanaka Y, Kawakami A, Saito K, Ichinose K, Fujii H, Shirota Y, Shirai T, Fujita Y, Watanabe R, Chiu SW, Yamaguchi T, Harigae H.
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1080/14397595.2018.1432331

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bortezomib treatment induces a higher mortality rate in lupus model mice with a higher disease activity.2017

    • 著者名/発表者名
      Ikeda T, Fujii H, Nose M, Kamogawa Y, Shirai T, Shirota Y, Ishii T, Harigae H
    • 雑誌名

      Arthritis Research & Therapy

      巻: 19(1) ページ: 187

    • DOI

      10.1186/s13075-017-1397-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relapsing Polychondritis Complicated by Myelodysplastic Syndrome Is Resistant to Immunosuppression: Comment on the Article by Dion et al.2017

    • 著者名/発表者名
      Shirai T, Fujii H, Saito R, Nasu K, Kamogawa Y, Fukuhara N, Fujita Y, Shirota Y, Ishii T, Harigae H.
    • 雑誌名

      Arthritis Research & Therapy

      巻: 69(3) ページ: 682-683

    • DOI

      10.1002/art.39969

    • 査読あり
  • [学会発表] 11C-BF-227-PETによる全身アミロイド計測を試みたアミロイドーシス6症例の検討2017

    • 著者名/発表者名
      城田祐子、石井悠翔、星陽介、藤田洋子、白井剛志、藤井博司、石井智徳、張替秀郎
    • 学会等名
      第61回日本リウマチ学会総会・学術集会
  • [備考] 東北大学血液・免疫病学分野

    • URL

      http://www.rh.med.tohoku.ac.jp/index.html

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公開日: 2018-12-17  

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