研究課題
MPO-ANCA陽性ANCA関連血管炎(MPO-AAV)の次世代シークエンス(NGS)解析により、HLA-DRB1のイントロンに位置するバリアントが、DRB1*13:02同様、疾患抵抗性に関連することが新たに検出された。このバリアントはDRB1*13:02のほかにDRB1*12:01、DRB1*12:02アリルにも検出され、AAV抵抗性においてDRB1*13:02といずれが一義的であるかは決定できなかった。一方、全身性エリテマトーデスや関節リウマチでもDRB1*13:02は疾患抵抗性であるが、DRB1*12:01、DRB1*12:02に抵抗性の傾向は検出されなかったため、少なくともこれらの疾患ではDRB1*13:02自体が一義的であることが示唆された。一方、HLA-class II領域におけるMPO-AAVの疾患感受性バリアントに関しては、NGS解析により、BTNL2とHLA-DRAの遺伝子間領域のSNV2、SNV3において強い関連が検出された。さらに、別プロジェクトにおいて進めているGWASにおいて、当該領域のSNV1、SNV4 に関連が検出された。これら4つの新規関連候補SNVおよびDRB1*09:01はいずれも互いに連鎖不平衡にあったが、ロジスティック回帰分析により関連の独立性を検討したところ、DRB1*09:01による調整後も、SNV3とSNV4に一義的な関連が残存した。SNV3とSNV4はHLA-DRAの上流に位置するが,eQTL解析ではHLA-DRAよりもHLA-DQA1、DQA2、DQB1の発現レベルとの関連が強い傾向が観察された。最近、中国人集団においてDQA1*03:02-DQB1*03:03ハプロタイプの関連が報告されたが、今後、これとDRB1*09:01、SNV3、SNV4の関連の独立性や機能的意義の解析をさらに進める必要があることが明らかになった。
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