研究実績の概要 |
関節リウマチ患者 79 例の PBMCs の DNA マイクロアレイ解析において疾患活動性(DAS28-ESR)と発現 が相関する遺伝子(DNA マイクロアレイ法)と、IL-33 刺激によりマウス ILCs で有意に発現誘導 される遺伝子(RNA シークエンス法)を網羅的に比較解析し、両データベースで共通する遺伝子 を 158 個抽出した。これらの遺伝子のうち両データベースで上位に入り、RA の病態への関連が推 測される候補分子(CD63, P4HB, RAB31, HCFC1R1, STOM, TOX2, TPI1, HMOX1)を 選択した。 その後、健常者と関節リウマチ症例のPBMCsからILC1s、ILC2s、ILC3sの各 ILCs サブセットを単離し、候補分子の発現レベルを qPCR 法により解析している。また、それらの発現レベルと様々な臨床指標 (DAS28-ESR, 関節エコー所見, CRP, MMP-3, 抗 CCP 抗体, RF 等)との相関を解析している。
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今後の研究の推進方策 |
1. マウスリンパ組織、腸管、肺からもILC1s, ILC2s, ILC3sを単離し、生型 (WT) マウスの関節組織、リンパ節、腸管、肺よりCD45.2+ CD127+ Lin- (CD3ε-, CD4-, CD8α-, CD19-, CD5-, B220-, CD11b-, CD11c-, CD49b-, FcεRI-, TER119-, TCRαβ-, TCRγδ-, GR-1-) ILCsをFACS sortingにより単離する。ILCsをIL-33の存在下で培養し、上記候補分子の発現をmRNAレベル、及びタンパクレベルで検討する。また、ILCsに候補分子を強制発現した際の、サイトカイン産生への影響をタンパクレベルで検討する。 2. コラーゲン誘導性関節炎(CIA)を誘導したWTマウスの関節組織、リンパ節よりILCsを単離を単離し、上記候補分子の発現をmRNAレベル、及びタンパクレベルで検討する。また、ILCsに候補分子を強制発現させ、CIAを誘導し たWTマウスに養子移入した際の影響を病理組織学的に解析する。
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