研究課題/領域番号 |
17K09973
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
黒田 毅 新潟大学, 保健管理・環境安全本部, 准教授 (00372475)
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研究分担者 |
上家 潤一 麻布大学, 獣医学部, 教授 (10400269)
中枝 武司 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20464000)
和田 庸子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30608534) [辞退]
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (50211636)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アミロイドーシス / 関節リウマチ / SAAアイソタイプ |
研究実績の概要 |
申請者は関節リウマチ合併AAアミロイドーシスとALアミロイドーシスの腎組織へのアミロイドの沈着パターンと臨床データを検討した結果、両アミロイドーシスのアミロイドの沈着パターンが腎障害を特徴づけている事を明らかにし、AAアミロイドーシスの細動脈でのアミロイド沈着が高度であることを明らかにした。アミロイドの重合研究に関しての進捗であるが、SAAのアイソタイプの相違については、AAアミロイドーシス合併症例の胃・十二指腸生検、腎生検標本を用いてAAアミロイドーシスの原因蛋白であるSAAアイソタイプの検討を行った。その結果39症例を検討して4種類のSAAアイソタイプを認めるものが5例、4種類のSAAアイソタイプを認めるものが30例、2種類のSAAアイソタイプを認めるものが4例であった。通常最大2種のSAA遺伝子がコードするため最大2種類であるはずのアイソタイプが、異なるアイソタイプを持つものが高頻度に出現することが判明した。従来の報告はすべてSAA遺伝子多形とアミロイドの検討であるため蛋白レベルの解析における結果は新たな知見となる。これらの生検標本を用いて組織から対象患者のもつSAA遺伝子を抽出し遺伝子多型のタイピングを行った。約半数の症例でSAA遺伝子のタイピングを特定したが一部では難しかった。一部タイピングの難しい症例に関しては新しい部分から標本を切り出して検討したが新たなデータの追加は殆ど無かった。理由としてはアミロイドの沈着が高度であることが理由として考えられた。また一部の剖検症例を用いてイメージングマスを行ったが腎標本においてSAAアイソタイプの分布が不均一であることが確認された。この結果はThe XVIIth International Symposium on Amyloidosisに採択され2020年9月にオンラインで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生検標本を用いたアミロイドを構成するSAAのアイソタイプの決定は、ほぼ終了しているが、生検組織を用いて組織から対象患者のもつSAA遺伝子を抽出し遺伝子多型のタイピングを決定するステップでは約2/3の症例でSAA遺伝子のタイピングを特定したが一部では難しかった。理由としてはアミロイドの沈着が高度であることが理由として考えられたが標本の別の新たな部分を使用してもデータの追加はあまり得られなかった。得られたデータを論文化を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
症例の胃・十二指腸生検組織、腎生検標本よりアミロイド以外の部分を切り出しSAAアイソタイプの遺伝子の決定は、ほぼ終了した。これらの結果と蛋白レベルのSAAアイソタイプを統合した形で論文化する。更に対象症例の臨床データと蛋白レベルの結果を統合しこれらのアイソタイプの臨床上の影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年初に予定された学会等がCOVID-19の感染により次年度に延期となったり、延期の後のオンライン開催となったりしたため、予算の使用に関して大きな変更が生じた。 今後の計画に関してはCOVID-19の感染蔓延状況により変動も考えられるが、計画を見直しつつ通常の研究費の支出に戻していく予定である。
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