高安動脈炎患者において、発症リスク型SNPの影響によりp40産生能が高くなり、ヘルパーT細胞の活性化を通して、血管炎病態を引き起こしている可能性が示唆された。2015年、著者らはp40を阻害する生物学的製剤ウステキヌマブを高安動脈炎患者3名に投与するパイロット試験を行い、症状・臨床データの改善を認めた(Terao, Scand J Rheum)。次段階となる臨床治験の論理的根拠を強化するために、本計画において、高安動脈炎患者検体や疾患特異的iPS細胞を用いた基礎実験を行った。今回得られた結果は、p40を標的とする高安動脈炎の新規治療薬開発につながることが示唆された。
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