研究実績の概要 |
SLEにおけるGal-9の病態への関与を解明するため、平成30年は正常マウスBALB/C ♀とMRL/lpr ♀マウスで発症4週、発症早期8週、発症極期16週の胸腺、脾臓から細胞を分離し、フローサイトメトリーを用いてB細胞、T細胞、樹状細胞の割合の差異を解析した。特に差異を認める分画についてはTim-3,PD-1/PD-L,CTLA-4をはじめとした免疫チェックポイント分子の発現量の差異の分析も追加し、アポトーシス効率についてアネキシンVを用いたアポトーシスアッセイを行った。同様ににGal-9+/+MRL/lpr とGal-9-/-MRL/lprの比較を16週齢♀を用いて施行した。 脾臓やリンパ節におけるフローサイトメトリーでは特にB細胞やT細胞サブセットの差は認められず、Gal-9-/-MRL/lprの脾臓においてはdouble negative T細胞数は減少を示した。またサイトカイン測定も行い、プリスタン投与後に腹腔内に集積するマクロファージ数、及び腹腔内マクロファージのTLR7-IFN-I系のシグナル伝達経路の検討を行った。Gal-9-/-MRL/lpr ではプリスタン投与後にGal-9+/+MRL/lprと比較してTNFαmRNAが減少したが、ISGs (Mx1, Cxcl10, and Irf7) ならびにIFN-I系シグナル(Ccl2, Ccl7, and Ccl12)は差を認めなかった。lipogranulomaはGal-9--/ PIマウスにて有意にリンパ濾胞様構造の形成が減少した。
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