研究課題/領域番号 |
17K09978
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
有馬 和彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (30423635)
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研究分担者 |
青柳 潔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80295071)
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
折口 智樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90295105)
山梨 啓友 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (60709864)
富田 義人 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40779584)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 骨量 / 生活習慣 / 遺伝要因 |
研究実績の概要 |
本研究課題では「自己炎症疾患研究から慢性炎症病態と骨量調節機構の関係を明らかにする」ことを目標として研究を進めた。暴露と帰結間の二値変数間の関連のみならず、骨量と多因子間の関連解析を可能とする解析対象者数を計画した。 2018年には解析対象者数が順調に増加した。解析対象者は長崎県五島市在住者2,628名(男性959名、女性1,669名)であった。研究参加者は長崎大学大学院先進予防医学共同専攻の7講座による、「生活習慣に関連する地域における生活習慣が影響を与えると考えられる疾患の追跡研究(長崎アイランドコホート研究: NaIS)」に研究参加意思を示して遺伝子試料を提供した。本研究課題の解析対象者は49対象疾患群の遺伝子解析への同意し、かつ欠損資料のない者とした。 2018年には収集した資料を用いた関連解析が順調に進んだ。骨量測定を含む骨健診の結果では、性別・年齢・体格指数は骨量と関連を認め、飲酒習慣・喫煙習慣は性別に性別・年齢・体格指数とは独立に骨量と関連を認めた。1,767名の遺伝子解析の結果では、飲酒習慣と最も強く関連すると報告されている遺伝要因は飲酒習慣と関連を認めた(男性p<0.001、女性p<0.001)。血液中蛋白質濃度測定を行い、良好な定量結果が得られた。 本研究は計画に沿って進んでいる。2018年までの解析結果は妥当性の高いものであったため、本研究課題で収集と解析を行った資料(研究参加者の基本属性情報、身体測定結果、アンケート聞き取り調査結果、提供を受けた遺伝子試料を用いた遺伝子解析結果)は、信頼性が高い研究成果であると考えられた。 本研究によって得られる資料と試料は慢性炎症病態と骨量調節機構の関係を解明する有効なものになると予想された。また、これらの資料と試料は本研究課題が挙げる目標のみならず、広く国民の健康増進に繋がる研究の基盤となる可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 研究計画での予定参加者数(2,500名)を超える2628名の地域在住者からの研究への参加同意を取得した。計画した研究参加者数をすでに達成している。 研究計画に沿って2018年までに行った関連解析からは研究参加者の基本属性情報、身体測定結果、アンケート聞き取り調査結果、提供を受けた遺伝子試料を用いた遺伝子解析結果の間に強い関連が見られた。このことは本研究が行った個人識別体制、検体作業のための匿名記号化と関連解析体制、測定感度管理、さらには試料保管と遺伝子解析方法は妥当性が高いと考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に変更はない。研究計画に沿って倫理面に十分配慮した上で、遺伝子解析と蛋白質解析と関連解析を進める。引き続き、日々変動する個人情報管理体制への期待と規制をよく理解して対象遺伝子と対象蛋白質を変更できる体制を維持している。知る権利と知りたくない権利、知らされたい権利と知らされたくない権利をよく理解して進める。 研究方法に関しては順調に進んでいる。研究手順は広く一般的に普及している機器を用いて推奨された環境で推奨通りの作業であるので、計画外の対応が必要な課題は現在のところ見当たらない。情報管理は管理体制のみならず、管理実務行う組織員の質的管理も重要である。教育や認定資格基準なども参考とする。広く国民の健康増進に貢献するために、妥当性検討段階の解析で得られた知見も科学的情報発信を考慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
可能な限り多くの地域在住者からの研究への参加同意を得るために、2018年度助成金を全額確定金額で使用することができず、58,677円の次年度使用額が生じた。結果として予想上限の参加者数であった。 参加者数を考慮した遺伝子解析を行う。研究中間結果から安価で効率の良い作業方法にできるように工夫する。
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