研究分担者 |
青柳 潔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80295071)
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
折口 智樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90295105)
山梨 啓友 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (60709864)
富田 義人 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (40779584)
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研究実績の概要 |
本研究課題では「炎症研究成果を活用して骨量調節機構を明らかにする」ことを目標として研究を行なった。暴露と帰結間の二値変数間の関連のみならず、骨量と多因子間の関連解析を可能とする解析対象者数を計画した。 2019年には対象者数が研究計画において目標とした2,500名に達した。解析対象者は長崎県五島市在住者2,628名(男性959名、女性1,669名)であった。研究参加者は長崎大学大学院先進予防医学共同専攻の7講座による、「生活習慣に関連する地域における生活習慣が影響を与えると考えられる疾患の追跡研究(長崎アイランドコホート研究: NaIS)」に研究参加意思を示して遺伝子試料を提供した。本研究課題の解析対象者は49対象疾患群の遺伝子解析への同意し、かつ欠損資料のない者とした。 骨量測定を含む骨健診の結果では、性別・年齢・体格指数は骨量と関連を認め、飲酒習慣・喫煙習慣は性別に性別・年齢・体格指数とは独立に骨量と関連を認めた。1,767名の遺伝子解析の結果では、飲酒習慣と最も強く関連すると報告されている遺伝要因は飲酒習慣と関連を認めた(男性p<0.001、女性p<0.001)。血液中蛋白質濃度測定を行い、良好な定量結果が得られた。また、脂肪組織からの炎症惹起因子放出に強く関連すると報告されている遺伝要因は骨量低下と関連していた(OR 1.6, 95%CI 1.13 2.42, p=0.01) 解析結果は妥当性の高いものであったため、本研究課題で収集と解析を行った資料(研究参加者の基本属性情報、身体測定結果、アンケート聞き取り調査結果、提供を受けた遺伝子試料を用いた遺伝子解析結果)は、信頼性が高い研究成果であると考えられた。本研究によって得られた資料と試料は慢性炎症病態と骨量調節機構の関係を解明する出発点である。さらに、広く国民の健康増進に繋がる研究の基盤となる可能性が考えられた。
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