研究課題
免疫疾患は、自然免疫系の異常に起因する自己炎症性疾患と獲得免疫系の異常に起因する自己免疫疾患の二つに大別される。この二つのカテゴリーの占める割合により免疫疾患の病態、治療法は大きく異なる。現在、この二つの疾患を識別するバイオマーカーとしては、自己抗体の有無、発症へのHLA-DRB1遺伝子の関与などが考えられているが、計測できるバイオマーカーは存在しない。本研究では、自己炎症性疾患の病態の中心であるインフラマソームに着目し、インフラマソームの活性化で誘導される活性型カスパーゼ1、活性型IL-1βを検出する方法を確立し、これら自己炎症バイオマーカーを測定することで、免疫疾患の中でもリウマチ性疾患を対象に、病態に占める自己炎症の比率を明らかにし、リウマチ性疾患を自己炎症/自己免疫の観点から層別化を行う。これら情報に階層化されたリウマチ性疾患の病態、治療選択に関して、検討を加える。
2: おおむね順調に進展している
①自己免疫バイオマーカーとして活性型IL-1β、活性型カスパーゼ1をイムノブロット法を用い各種生体試料から検出する技術を確立した。②自己免疫バイオマーカーとして獲得免疫系の活性化を制御するチェックポイント分子(ガレクチン-9、可溶型TIM-3)の測定が有用であることを明らかにした。
自己炎症バイオマーカーである血清中の活性型IL-1β(cleaved IL-1β)と自己炎症性疾患の活動性との関連を明らかにすると同時に、これらバイオマーカーがIL-1阻害療法のコンパニオン診断薬となるか検討していく。また、関節リウマチなど自己免疫疾患と考えられていた疾患群の中にこれら自己炎症バイオマーカーが検出されるか、さらに、自己炎症バイオマーカーの存在が自己免疫疾患の治療抵抗性と関連していないか検討する。
論文投稿のため、追加の実験が必要なため。生体試料を用い、各種サイトカイン(IFN-α、IL-1β)を測定予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
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