研究課題/領域番号 |
17K09984
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
村上 美帆 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (30595591)
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研究分担者 |
西本 憲弘 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (80273663)
辻 成佳 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 室長 (30795761)
橋本 淳 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 部長 (40237938)
乾 重樹 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授 (30324750)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乾癬性関節炎(PsA) / サイトカイン / リンパ球 / IL-17 産生CD8+T 細胞 |
研究実績の概要 |
バイオロジクスナイーブな乾癬性関節炎(PsA)症例をリクルートし、同意が得られた患者の末梢血のリンパ球と血漿を分離し、リンパ球サブセットとサイトカインの解析を実施している。更に、その中で、生物学的製剤を開始した患者から、治療開始より24週後および48週後に随時採取し、治療前後のサイトカインの推移、リンパ球の割合の推移を解析している。生物学的製剤治療を48週まで終了した症例数は16 例である。 tumor necrosis factor (TNF)阻害治療により、Pain- Visual Analogue Scale (VAS)は治療前と比べ有意に低下した。TNF阻害治療前、治療開始24週後、48週後の血中interleukin (IL) -17値を測定したところ、TNF阻害治療前後と比べ、治療開始24週と48週で有意差はなく(前年度報告済み)、PsAの病態には、IL-17以外にもIL-12/23も関与している可能性があるので、血中IL-12/23を測定した。結果は、IL-17値と同様、TNF阻害治療前後で有意差は見られなかった(治療前166.5±173.6 pg/mL、24週175.2±132.5 pg/mL, p=0.54、48週154.3±138.7 pg/mL, p=0.41)。 また、T細胞表面マーカーであるCD3とB細胞表面マーカーであるCD19陽性細胞の割合を解析したところ、CD3陽性細胞の割合は、治療前後で有意差はなく、(治療前47.4±10.7 %、24週48.6±8.6 %pg/mL, p=0.82、48週50.0±7.8 %, p=0.60)、CD19陽性細胞の割合は、治療前14.1±8.7 %、24週17.2±8.7 %pg/mL, p=0.008、48週18.3±8.5 %, p=0.008、と治療開始に比べ、治療24週と48週で有意に上昇していた。 TNF阻害治療により、疾患活動性の改善はみられているので、CD19との関連、また、今後、他の表面マーカー、特にCD3+CD4-CD8-T細胞の解析を進め、疾患活動性との関連を調べる。また、制御性T細胞や刺激したリンパ球についてもデータは取得しているので、今後、解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により、消耗品や試薬の納品が遅れた。現在もフィルターチップ等の納品が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
蓄積されているリンパ球サブセットのデータの解析をする。 消耗品等が納品されたら、凍結保存している血清のサイトカインを測定し、解析をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、消耗品や試薬の納品が遅れた。
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