研究分担者 |
西本 憲弘 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (80273663)
辻 成佳 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 室長 (30795761)
橋本 淳 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 部長 (40237938)
乾 重樹 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授 (30324750)
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研究実績の概要 |
バイオロジクスナイーブな乾癬性関節炎(PsA)症例をリクルートし、同意が得られた患者の末梢血のリンパ球サブセットを解析した。その中で、TNF阻害療法を開始した患者から、治療開始より24週後および48週後に随時採取し、治療前後のリンパ球の割合の推移を解析した。Pain-VASは、治療前と比べ有意に改善された。リンパ球サブセットにおいて、PsA患者と健常人との比較では、CD3陽性T細胞、CD19陽性B細胞の割合に有意差は認められなかった。TNF阻害療法前後では、CD3陽性T細胞の割合は減少せず、CD19陽性B細胞の割合は、治療前14.1±8.8 %、24週17.4±9.1 %, p=0.013、48週19.2±8.9 %, p=0.002と、治療前に比べ24週と48週で有意に上昇した。また、CD4陽性細胞とCD8陽性細胞の割合も、PsA患者と健常人の比較では有意差は認められなかった。治療前後では、CD4陽性細胞の割合に変化はなく、一方で、CD8陽性細胞の割合が治療48週で有意に増加した(治療前19.8±7.2%、24週20.7±5.4 %, p=0.46、48週22.3±6.0%, p=0.023)。CD25陽性活性化T細胞の割合は、CD4陽性、CD8陽性細胞ともに、健常人と比較して有意差はなかった。治療前後では、CD4陽性、CD8陽性細胞ともに、CD25陽性活性化T細胞の割合は増加傾向にあったが、治療前と比べ有意差が認められたのは、CD4陽性細胞中のCD25陽性活性化T細胞の治療24週のみであった(治療前5.7±5.0%、24週7.9±8.6 %, p=0.02, 48週8.2±9.0%, p=0.09)。また、PsAの病態に関わっていると報告されているCD3+CD4-CD8-T細胞の割合は、治療前後で有意差は認められなかった。現在、サイトカイン産生細胞の解析中である。
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