研究課題
基盤研究(C)
代表的な自己免疫疾患である関節リウマチ(RA)においては、炎症環境下で関節滑膜にエピゲノム変化が生じることでより関節破壊を来たしやすい形質が獲得され、治療抵抗性となることが想定される。我々は一連の検討により、DNA脱メチル化酵素であるTET3が、TNFαのような炎症性サイトカインなどにより誘導され、多くの遺伝子の発現を変化させることを明らかにし、RA病態形成におけるepigenetic gate-keeperとして、炎症の遷延化の鍵を握っている可能性を示した。
関節リウマチ
近年、関節リウマチ(RA)においては、生物学的製剤やJAK阻害剤などの分子標的薬の登場により、寛解を目指した治療が可能となったが、分子標的療法でもその3割から4割は治療抵抗性を示し、治療経過とともに難治化する。今回の研究成果は、TET3を標的としたRA滑膜におけるエピゲノム異常の是正が、RA治療のブレークスルーとなりうる可能性を示唆した。