SLEなどの自己免疫において、自己反応性Tリンパ球の機能を制御することは、疾患の進展抑制において標的となりうる。T細胞受容体(TCR)発現を低下させる作用を有し、補体活性や貪食誘発作用を欠落させた抗CD3サイレント抗体を用いて、自然発症SLEマウスモデルであるNZB/W F1マウスへの効果を検討したところ、若年マウスにおいては自己抗体産生を、疾患活動期での投与では肺や腎などの臓器障害を軽減しうることを見出した。この作用機序として、濾胞性ヘルパーT細胞分化抑制や、自己反応性エフェクターT細胞の臓器への浸潤や活性化抑制を介していることが示唆された。
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