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2017 年度 実施状況報告書

全身性エリテマトーデスにおけるヘルパーT細胞ダイナミズムの解明と新規治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K10010
研究機関産業医科大学

研究代表者

中山田 真吾  産業医科大学, 医学部, 講師 (60389426)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード全身性エリテマトーデス / 濾胞性ヘルパーT細胞 / 形質芽細胞 / 免疫フェノタイピング
研究実績の概要

SLE 143名および健常人49名の末梢血免疫フェノタイピングをNIH/FOCISがHuman Immunology Projectとして提唱した抗体セット、及び、ケモカイン受容体抗体を含む独自の抗体セットを用いて8カラーフローサイトメトリーで実施し、疾患活動性や臓器病変の進展に関わる免疫フェノタイプおよび患者集団の細分化を試みた。その結果、SLE末梢血において、Th1細胞およびTh17細胞の割合は健常人と同等であったがTreg細胞およびTfh細胞の割合は健常人に比較して上昇していた。特にPlasmablastは健常人に比して著明な増多を認めた。患者ごとの免疫フェノタイプを主成分分析によりマッピングを行ったところ、SLE患者の免疫フェノタイプがB細胞とT細胞の二つの軸に縮約されることが明らかとなった。さらにクラスター解析によって、共通するB細胞の分化異常に加えて、T細胞フェノタイプの差異により3群に分けることが可能であり、T細胞の分化と活性化の異常が乏しい群 (T cell independent group)、Tfh細胞とplasmablastの増加がドミナントとなる群 (Tfh dominant group)、メモリーTreg細胞の活性化がドミナントとなる群 (Treg dominant group)に分けられた。この中で、Tfh dominant groupでは既存治療に抵抗性であった。以上から、SLE患者では特にTfh/plasmablastを主軸とした集団は既存治療への抵抗性を示し、Tfh-plasmablast軸を標的とする分子標的薬の応用が期待された。次年度以降は、それらの病的細胞の誘導機構制御因子の同定、及び、その阻害による治療標的としての可能性を探索したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに解析、データ回収が進行している。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、病的なTfh細胞を誘導する制御因子を同定するとともに、及び、その阻害による治療標的としての可能性を探索する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Peripheral Immunophenotyping Identifies Three Subgroups Based on T Cell Heterogeneity in Lupus Patients.2017

    • 著者名/発表者名
      Kubo S, Nakayamada S, Yoshikawa M, Miyazaki Y, Sakata K, Nakano K, Hanami K, Iwata S, Miyagawa I, Saito K, Tanaka Y.
    • 雑誌名

      Arthritis and Rheumatology

      巻: 69 ページ: 2029-2037

    • DOI

      10.1002/art.40180

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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