研究実績の概要 |
カルテ調査を行い、結核既往群20名、非結核暴露群15名を選出した。 PBMC層を採取し、陰性コントロール(AIMV培地)、結核特異抗原であるESAT-6ヒト結核菌に相応する合成抗原、CFP-10ヒト結核菌に相応する合成抗原、陽性コントロール(PHA溶液)を添加し16~20時間培養させた。最後の5~6時間でモネンシンを加えた。 細胞を表面抗原(CD3,CD4,CD8a,CCR4,CXCR3,CD161,CD45RO,CCR6,CD25)をそれぞれの標識抗体(マスサイトメトリー用抗体)で染色する。次に細胞内にあるIFNγ、GM-CSF、IL-2、IL-4、IL-5、IL-13、IL-10、TNF-α、IL-17A、IL-17F、MIP-1βを、それぞれの標識抗体を用いて細胞内サイトカイン染色を行った。サイトメトリー法(マスサイトメトリー)により多色解析を行い、Th17.1細胞のIFNγ産生細胞率の検出、その他のヘルパーT細胞(Th1、Th2、Treg,Th17)、CD8T細胞のそれぞれのサイトカイン産生細胞率の検出を行った。 各患者群の年齢は非結核暴露群37.93±10.7歳、結核既往群は72.00±13.21歳(P<0.001)だった。結核既往群における結核からの経過年数は、5年までが5%、5~10年が5%、10~30年が15%、30年以上が75%だった。結核のパターンは、肺結核75%、脊椎カリエス、リンパ節結核、結核性胸膜炎、粟粒結核、腸結核がそれぞれ5%だった。INH使用者は6名(30%)だった。白血球数、リンパ球数で両群で有意差を認めなかった。現在、マスサイトメトリーによる高次元データを次元削減法などを用いて、解析中である。
|