・Cryptococcus gattii脳髄膜炎モデルにおけるIFN-gの感染防御効果の検討 マウスクリプトコックス髄膜炎モデルを用いた各種検討を行った。この髄膜炎モデルにおいて、C. neoformans H99株を接種したマウスに、INF-gを投与すると、生存期間の延長が認められた。一方、C. gattii R265株を接種したマウスに、INF-gを投与しても、非投与マウスと比較し生存期間の延長は認められなかった。さらに、C. gattii JP02株を接種したマウスでは、若干ではあるが生存期間が延長した。これらのマウスにおける臓器菌数の比較では、脳からH99株では106 CFU/g以上の菌数が分離されたが、R265株、JP02株では104‐105 CFU/gの菌数が分離され、IFN-gの有無による菌数の変動認めなかった。また、脳・髄膜の病理組織像を検討した所、H99株とR265株、JP02株間に大きな相違は認められなかった。 ・貪食細胞から放出される炎症性サイトカインに対するIFN-gの影響 H99株、R265株、JP02株とJ774細胞を共培養し、細胞から放出されるTNF-αとIL-6について、IFN-g非存在下、存在下において検討を行った。H99株においてはIFN-g非存在下におけるTNF-α、IL-6濃度はそれぞれ132.6 pg/ml、10.6 pg/mlであったが、IFN-g添加によりTNF-α、IL-6濃度は359.7 pg/ml、22.2 pg/mlと有意な上昇を認めた。一方、R265株JP02株ともIFN-g非存在下、存在下においてTNF-α、IL-6産性に変化を認めなかった。
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