研究課題
最近、SMAD6およびNOGの変異が非症候性橈尺骨癒合症患者で同定され、不完全浸透であると報告された(Yang Y et al. Genet Med)。本年度はそれを念頭に橈尺骨癒合症のみの患者の検体を収集した。頬粘膜細胞、爪、毛髪などの検体を収集した。DNAを抽出し、MECOM、HOXA11、SMAD6、NOG、遺伝子の全エクソンおよび近傍のイントロンの塩基配列決定を行った。また、患者における臨床症状情報については、頻度の高い症状のみならず、これまで見過ごされていた症状の有無にも注目して臨床情報収集を続けている。また、モデルマウスの解析を行い、表現型解析を継続した。ゼブラフィッシュをモデルとする解析を行うため、胚にmRNAやmorpholinoなどを導入した。Tg(CD41:GFP)(thrombocyteが蛍光標識されるトランスジェニックゼブラフィッシュ)の胚に対してMECOMの野生型および変異型RNAを注入し、表現型の観察を継続している。また、mecomを対象としたmorpholinoを設計し、Tg(CD41:GFP)の胚に注入したところ、用量依存性に表現型の変化が観察された。より詳細な観察のための条件検討を継続している。また、CRISPR/Cas9によるmecomのフレームシフト変異を持つ個体の作成も行い、F1, F2作成を行った。ホモで変異を持つ個体について成魚まで成長できるか検討を続けている。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
The American Journal of Human Genetics
巻: 104 ページ: 1233~1240
doi:10.1016/j.ajhg.2019.04.014