研究課題/領域番号 |
17K10046
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高橋 勉 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20270845)
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研究分担者 |
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (50124574)
尾野 恭一 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (70185635)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ナトリウムチャネル / 小児四肢疼痛発作症 / パッチクランプ法 / ボルテージクランプ法 / カレントクランプ法 / Nav1.9 / SCN11A |
研究実績の概要 |
末梢感覚神経に発現するNaチャネルNav1.7、Nav1.8、Nav1.9は障害性疼痛に関わり、近年、それぞれに対応する遺伝子(SCN9A、SCN10A、SNC11A)の塩基バリアントと遺伝性疼痛疾患の関係が明らかになった。申請者はSCN11Aの新たなバリアントがもたらす2つの変異R222HとR222Sが小児四肢疼痛発作症という小児期の疼痛疾患を引き超すことを明らかにした。引続く本研究では新たに国内小児期遺伝性疼痛症41家系の解析を進め、SCN11AにつきR222Hに加え、新たな変異F814CとF1146Sを、さらに海外からの既報と同一のR225CとV1184Aを同定した(小泉、高橋)。新規変異についてはノックインマウスを作成してその後根神経線維を用いた電気生理学解析(カレントクランプ法)で疼痛誘導性を証明した。今回リクルートできた小児期四肢疼痛発作症の全症例の約25%にSCN11Aの塩基バリアントが関係することが明らかとなった(小泉、高橋)。3つのNaチャネルから同定した遺伝子バリアントについて、チャネル特性を電気生理学的に解析するための発現系を培養細胞HEKに対してNaチャネルであるαサブユニットGFP融合発現プラスミド (SCN9A,SCN11A)とβサブユニット発現プラスミドを共発現させ、チャネル活性を誘導する系を作成して現在パッチクランプ法による電気生理学解析(ボルテージクランプ法)の解析を進めている(尾野、高橋)。特に小児期疼痛症家系から同定したNa1.7のE44Qにつき解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの解析で小児四肢疼痛発作症の原因であるNaチャネルNav1.9の機能解析として新たに同定した新規変異につきノックインマウスを作成して電気生理学的に疼痛発作発現を証明する後根感覚神経線維の易刺激性を証明した。遺伝性疼痛症家系から同定した遺伝子変異の機能解析のためにはこれまで神経系由来細胞を用いた発現系が必要であり解析が困難であった。しかし、本研究で汎用培養細胞であるHEKを用いて解析できる新たな発現系を確立し、現在、新たに同定した変異を中心に解析を進めており成果として纏めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に従い、国内遺伝性疼痛症家系の解析により同定したSCN9A、SCN10A、SCN11Aの塩基バリアントのチャネル機能に関わる電気生理学的特性への影響を調査する。加えて、塩基バリアントの細胞内局在への影響など細胞内レベルの解析も進める。
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