研究課題/領域番号 |
17K10056
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
|
研究分担者 |
河野 嘉文 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20260680)
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50227013)
大脇 哲洋 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50322318)
網谷 真理恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (90574400)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | HTLV-1 / 母子感染予防 / PCR / 保健指導 |
研究実績の概要 |
平成29年度は①保健指導マニュアルの作成、②性行為感染後の抗体価・プロウイルス量の推移の測定を計画していた。マニュアルのパンフレット内容作成および抗体価・プロウイルス量の測定の体制構築は達成した。しかし、当初の研究計画でも懸念されていたキャリアと認識している男性は少ないため、協力者を集めるのは難しく実際に実施するまでに至っていない。 そこで①保健指導マニュアルの作成については、キャリア男性およびそのパートナーとなる女性になるかもしれない20歳前後の学生を模擬対象として研究を進めた。結婚に際しパートナーからHTLV-1キャリアであるということが伝えられた時点で、知りたい情報項目を自分自身がネット等で十分得られるか、その情報を取得後、結婚観にどれくらい影響を与えるかを調査した。結論としては、情報を得ることで結婚観への影響は低まっていた。サイト検索でも情報はあることができていたが不十分な対象者もおり、医療者から提供を受けられる体制作りも考慮する必要がある。マニュアルに記載する情報はほぼ上位6つのサイトから作成できると考えられた。しかし、パンフレット以外に、情報を提供できる医療者の育成も必要であることが明らかになった。 ②性行為感染後の抗体価・プロウイルス量の推移の測定に関しては、プロスペクティブな調査を予定していたが、今回の研究に対して重要な示唆を与える可能性がある症例を経験した。レトロスペクティブな調査の可能性がある。母子感染対策事業でフォローアップしていた症例で、妊娠時検査で、Western Blot法判定保留で、PC法R陰性であった母親から出生した子の3歳時抗体スクリーニングで陽性となっていた。現在、子どものWestern Blot法、母子とものPCR法での測定を行う時期を調整中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は①保健指導マニュアルの作成、②性行為感染後の抗体価・プロウイルス量の推移の測定を計画していた。マニュアルのパンフレット内容作成および抗体価・プロウイルス量の測定の体制構築は達成した。しかし、当初の研究計画でも懸念されていたキャリアと認識している男性は少ないため、協力者を集めるのは難しく実際に実施するまでに至っていない。 そこで①保健指導マニュアルの作成については、キャリア男性およびそのパートナーとなる女性になるかもしれない20歳前後の学生を模擬対象として研究を進めた。結婚に際しパートナーからHTLV-1キャリアであるということが伝えられた時点で、知りたい情報項目を自分自身がネット等で十分得られるか、その情報を取得後、結婚観にどれくらい影響を与えるかを調査した。 ②性行為感染後の抗体価・プロウイルス量の推移の測定に関しては、プロスペクティブな調査を予定していたが、今回の研究に対して重要な示唆を与える可能性がある症例を経験した。レトロスペクティブな調査の可能性がある。母子感染対策事業でフォローアップしていた症例で、妊娠時検査で、Western Blot法判定保留で、PC法R陰性であった母親から出生した子の3歳時抗体スクリーニングで陽性となっていた。現在、子どものWestern Blot法、母子とものPCR法での測定を行う時期を調整中である。
|
今後の研究の推進方策 |
0平成30年度の当初計画にあった講習会を開催し母子保健関係者への啓発を行う。また、産科外来での掲示による関心の向上、スマイル・リボン(患者会)からの家族を紹介してもらうなど工夫し、対象となるキャリア男性の非キャリア配偶者のリクルートを推進し研究計画の進捗を取り戻せるようにする。 また、①保健指導マニュアルの作成については、模擬対象とした研究もすすめ精度を向上させるようにし、実際の対象者への説明資料の完成に近づける。 ②性行為感染後の抗体価・プロウイルス量の推移の測定に関しては、リクルートできた対象者の性症例数が少ないと予想されるため検査を精度管理が確保されたが外部検査機関への委託を行う。また、今回レトロスペクティブな対象の調査でも本研究に対して重要な示唆を与える可能性がある症例を経験したため、母子感染対策事業でフォローアップしていた症例で有用と思われる症例の測定も行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度、対象者のWestern Blot法・PCR法の検査が予定数よりも少なかったため、残金が生じた。来年度以降に1症例当たり、4~5回の検査で8~10万円かかるため、翌年以降に検査に対して使用する計画である。また、1組の親子の検査分が当初3月末を予定していたが、対象者の都合により次年度に繰り越している。
|