母斑基底細胞癌症候群(NBCCS)4症例より樹立したinduced pluripotent stem cell(iPSC)を免疫不全マウスに移植して発生した奇形腫には、全例で髄芽腫が含まれており、LOHや塩基の欠失といったセカンドヒットとなる変異がPTCH1遺伝子の正常アレルに生じていた。これはNBCCSに発症する髄芽腫の新たなモデルと考えられた。 またCRISPR/Cas9システムを用いてPTCH1遺伝子の両アレルともに変異をもつiPS細胞を作製し同様に移植したところ、髄芽腫を含む外胚葉組織が大部分を占め、内胚葉及び中胚葉組織が少なく、外胚葉への分化が優先的に誘導されることが示唆された。
|