1型糖尿病患者において他の自己免疫疾患を併発する頻度は高いが、その発症機序を含め原因についてはまだ不明である。本研究では1型糖尿病の自己抗原の一つであるICA69に対する免疫寛容の破綻によって1型糖尿病の発症が促進されるか、また他の自己免疫疾患が誘発されるか否かを検討した。ICA69の発現を抑制した遺伝子組換えマウスにおいて、雌では野生型と比較しヘテロ欠損型が早期に糖尿病を発症した。エンドポイントでの糖尿病発症頻度は雌ではヘテロ欠損型が高かったが、雄では野生型が高かった。HE染色では糖尿病発症前から膵ランゲルハンス氏島へのリンパ球浸潤を認めたが、野生型とへテロ欠損型とで明らかな差はなかった。
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