研究課題/領域番号 |
17K10085
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
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研究分担者 |
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30221328)
齋藤 文仁 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20360175)
坂井 敦 日本医科大学, 医学部, 講師 (30386156)
肥後 心平 日本医科大学, 医学部, 講師 (50623922)
三ケ原 靖規 日本医科大学, 医学部, アシスタントスタッフ (20748636)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 帝王切開 / オキシトシン |
研究実績の概要 |
マウスを用いた行動実験系で、帝王切開によって生まれた仔マウスはオス、メス共に自然分娩によって生まれた仔マウスと比較した場合に、社会性を含め様々な違いが確認された。行動実験のほとんどが仔の成長後に実施しているが、一部は、生後8日目という早期から確認されたものもある。つまり、帝王切開出産による生まれた仔への影響は生後の長きにわたる事が示唆された。そして、これらの影響は周産期におけるオキシトシン(OXT)の単回投与で抑制できることが確認された。 また、周産期にOXT受容体のアンタゴニストを投与して自然分娩をさせると、生まれた仔マウスは帝王切開によって生まれた仔マウスに近い行動変化を引き起こすことも確認された。 つまり、出産時の母体から胎児へのOXTの暴露が生まれた仔の社会性の正常発達に関与していると考えられたので、OXT遺伝子を改変したマウスを用いた検討を行っている。これまでのところ、帝王切開の場合と異なり、オスとメスでは異なる行動表現系を示すことが分かってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オキシトシンの遺伝子改変マウスの量的確保は改善してきたが、その動物に出産させることがなかなか難しいことが分かってきた。そのため、仔をを使用した実験に関しては通常の動物に比べ進行が遅い。そのような状況下でも、少しずつデータの蓄積に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
オキシトシンの遺伝子改変マウスを用いて帝王切開によって生まれた仔マウスとの比較検討を進めていく。そのためにオキシトシンの遺伝子改変マウスを大量に準備することが必要であル事が分かり、現在進めている。また、行動変化について、あるいは雌雄差についても、そのメカニズムの分子レベルでの解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度、大学所属の実験動物管理室における動物の胚操作に関して、これまで無料で行われてきたが、料金徴収が始まるとされていた。本実験では胚操作が頻回になるため、その実施料のための資金として確保していたが、結局、当該年度には料金徴収は実施されず、次年度からの実施と決まった。よって、次年度に繰り越された金額はその費用に充て、次年度助成金と併せて実験の遂行に影響が出ないようにしたい。
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