研究課題/領域番号 |
17K10085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
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研究分担者 |
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30221328)
齋藤 文仁 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20360175)
坂井 敦 日本医科大学, 医学部, 講師 (30386156)
肥後 心平 日本医科大学, 医学部, 講師 (50623922)
三ケ原 靖規 日本医科大学, 医学部, アシスタントスタッフ (20748636)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | オキシトシン / 自閉症 / 帝王切開 |
研究成果の概要 |
帝王切開による出産が子に与える影響についてマウスを用いて行動解析を中心に検討した。オス、メス共に成長後に社会性の低下などの変化が確認された。これらの変化は周産期におけるオキシトシン(OXT)の単回投与で抑制できることが確認された。また、周産期にOXT受容体のアンタゴニストを投与して自然分娩をさせたり、OXT-KOマウスに野生型マウスの受精卵を移植して自然分娩をさせると、生まれた仔マウスは帝王切開によって生まれた仔マウスに近い行動変化を引き起こすことも確認された。 つまり、出産時の母体から胎児へのOXTの暴露が生まれた仔の社会性の正常発達に関与していると考えられた。
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自由記述の分野 |
神経薬理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
帝王切開による出産は手術による危険性もあるため、2015年にはWHOが「医学的に必要な場合に限る」旨の警告を行った。ただ、日本では近年、高齢出産や不妊治療後等の様々な背景から増加している。しかし、帝王切開による出産が胎児の発達に与える影響については不明な部分も多く、自閉症スペクトラム(ASD)が経膣分娩に比して2割ほど増加するという疫学的報告もあるが、具体的な因果関係を示すには到っていない。今回マウスを使った結果では帝王切開によって生まれた子供は成長後、オス、メス共に社会性の低下が認められた。マウスの結果がそのままヒトに当てはまるとは限らないが、ヒトでの影響を精査し、対応を考える必要があろう。
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