研究課題/領域番号 |
17K10087
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
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研究分担者 |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10596042)
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, その他 (30441273)
三崎 真生子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50595048)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 筋ジストロフィー / 分子治療 / エクソンスキッピング / 次世代シークエンサー |
研究実績の概要 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下DMD)に対するエクソンスキッピング誘導治療が開発され、その一部は臨床への応用が開始されている。この治療法の治験を行う中において、同じ遺伝子変異であっても症例における有効性に差がみられることが示唆されている。しかし、個々の症例に対する有効性を事前にかつ非侵襲的に予測する方法は無く、このことが本治療法を推進していく上で大きな妨げになっている。本研究の目的は、患者血液由来細胞を用いて非侵襲的に本治療法の有効性を検討する方法を構築することである。 本研究を行う上において、個々の筋ジストロフィー症例の病型診断を行い、ジストロフィンなどの責任遺伝子変異を、正確に同定することが不可欠である。しかし、蛋白レベルで診断を行うためには、侵襲的な検査である、筋生検を行う必要がある。29年度は、高CK血症や筋力低下などの所見から筋ジストロフィーが疑われる症例に対し、血液検査で病型診断および遺伝子変異同定するシステムの構築を行った。 次世代シークエンサーにより、筋疾患関連遺伝子の解析を行った。その結果、ジストロフィン遺伝子において微小変異も含め、非侵襲的に同定することが可能となった。さらに、他の筋ジストロフィーの遺伝子変異の同定も可能であり、このシステムによって侵襲性のある筋生検を回避できる可能性が示唆された。 30年度以降、新たに確定診断された症例も含め、非侵襲的に治療効果を検討できるシステムの構築を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、DMD症例より得た血液細胞よりリンパ芽球様細胞培養系を樹立する予定であったが、十分な時間と人手をとることができず、行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
(1)DMDリンパ芽球様細胞培養系の樹立とアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-oligo)によるエクソンスキッピング効率の検討:DMD症例より得た血液細胞よりリンパ球を分離し、EBウイルスによってリンパ芽球様細胞培養系を樹立する。この細胞系を用いて、AS-oligoによるエクソンスキッピング誘導効率の検討を行う。AS-oligoとして、従来のphosphorothioateオリゴヌクレオチドより40倍強力であるENA/RNAキメラオリゴヌクレオチドを使用する。 (2)DMD筋芽細胞培養系におけるAS-oligoによるエクソンスキッピング効率の検討:DMD症例からすでに樹立してある筋芽細胞培養系あるいは筋生検組織より新たに樹立した筋芽細胞培養系を用いて、AS-oligoによるエクソンスキッピング誘導効率の検討を行う。 (3)DMDリンパ芽球様細胞培養系と筋芽細胞培養系におけるAS-oligoによるエクソンスキッピング効率の比較:同一症例におけるリンパ芽球様細胞培養系および筋芽細胞培養系におけるエクソンスキッピング誘導の効率を比較することにより、非侵襲的に作製可能であるリンパ芽球様細胞培養系においてAS-oligoの有効性を検討することの正当性を検証する。さらに同一の遺伝子変異(1ないし数エクソンの欠失)症例間における、同一AS-oligoによるエクソンスキッピング誘導効率の差を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況がやや遅れているため、29年度分の研究費の一部を30年度に使用する。細胞培養などに使用する予定である。
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