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2020 年度 実施状況報告書

小児がん等に対する陽子線治療における有害事象と放射線感受性遺伝子との関連解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K10096
研究機関獨協医科大学

研究代表者

中尾 朋平  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20554885)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード小児がん / 陽子線治療 / 有害事象 / 放射線感受性遺伝子 / 遺伝子多型
研究実績の概要

小児がんに対する治療として、陽子線治療を受けた症例を対象に放射線感受性遺伝子を検索する臨床試験を、次世代シーケンサを用いた候補遺伝子検索のシステムを用い、施設倫理委員会の審査を経て実施している。急性期の有害事象として、特に皮膚・粘膜障害に焦点を当て、既報研究のうち、放射線治療と皮膚・粘膜障害と放射線感受性遺伝子との関連が報告されている遺伝子群のエクソン領域の解析に並行して、症例の臨床情報について収集し、照射部位・照射線量・併用治療の有無(外科療法や抗腫瘍剤治療)・年齢区分・がん種・併存症の有無・初発/再発症例別に解析を行った。
昨年は新型コロナの影響で一時、研究室の閉鎖を余儀なくされ、さらに、緊急事態宣言などで県外への移動自粛など、研究活動が大いに妨げられた。発熱者外来を実施していたため、研究活動よりも実臨床が実務の大半を占めるなど研究活動を大いに短縮・自粛せざるを得なかった。
患者も病院に実際に診療に訪れることを敬遠するなど、長期フォローアップに特に必要な診察ができない場面も多く、データの採取は困難を極めた。その中でも、神経芽腫やユーイング肉腫に対して抗腫瘍剤治療と並行して陽子線治療を受けた症例を対象として、生存期間、無再発生存期間、急性期・晩期有害事象、陽子 線治療照射部位、陽子線治療照射線量、二次がん発生の有無を解析し、2編の論文として公表した(J Pediatr Hematol Oncol. 2020 Jan;42(1):e12-e17..)(J Pediatr Hematol Oncol. 2020Jan;42(1):e18-e24.)。
さらに陽子線治療終了後も継続して晩期有害事象と二次がん発生率を追跡し解析する臨床試験を実施中である。そのため、さらに2021年度にも延長を申請した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

候補遺伝子の検索・解析システムの実施と、対象症例の臨床情報収集を並行して行っており、2017年度から一部をすでに学会発表/論文として報告できている。
具体的には、ユーイング肉腫に対して抗腫瘍剤治療と並行して陽子線治療を受けた15例の小児ケースを対象として、生存期間、無再発生存期間、急性期・晩期有
害事象、陽子線治療照射部位、陽子線治療照射線量、二次がん発生の有無を解析し、2編の論文として公表した(J Pediatr Hematol Oncol. 2020
Jan;42(1):e12-e17. doi: 10.1097/MPH.0000000000001620.)(J Pediatr Hematol Oncol. 2020 Jan;42(1):e18-e24. doi: 10.1097/MPH.0000000000001570.)。
昨年は新型コロナの影響で一時、研究室の閉鎖を余儀なくされ、さらに、緊急事態宣言などで県外への移動自粛など、研究活動が大いに妨げられた。発熱者外来を実施していたため、研究活動よりも実臨床が実務の大半を占めるなど研究活動を大いに短縮・自粛せざるを得なかった。
患者も病院に実際に診療に訪れることを敬遠するなど、長期フォローアップに特に必要な診察ができない場面も多く、データの採取は困難を極めた。

今後の研究の推進方策

現在進行中の臨床情報の収集に加え、放射線感受性遺伝子の検索を臨床試験として継続して行う。 本研究の研究期間内に晩期有害事象を評価することは困難であるため、まずは急性期有害事象および亜急性期の合併症に焦点を当て、放射線感受性遺伝子の検索 結果との関連について評価・解析を継続していく予定である。 学会発表や論文発表に際しては、解析をしやすくするために、照射部位・照射線量・併用治療の有無(外科療法や抗腫瘍剤治療)・症例の年齢区分・がん種など、 これまでの発表のように対象症例の属性別に解析を継続していく予定であり、上述した論文や学会報告に続いて、現在も論文を投稿中および執筆・投稿準備中で ある。 さらに陽子線治療終了後も継続して長期生存者の生活の質(Quality of Life)や晩期有害事象と二次がん発生率を追跡し解析する臨床試験を施
設倫理委員会に申請し開始しており、次年度も継続していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ対応のため、実質的な研究活動が不可能であったため。
今年度はさらに被験者の集積とともに研究活動を進め、データ収集及び解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Assessment of space-making radiation therapy in pediatric patients with tumors2020

    • 著者名/発表者名
      Michi Kamei, Hiromitsu Iwata, Kouji Masumoto, Tomohei Nakao, Yusuke Demizu, Reiko Imai, Daisuke Takagi, Shigehisa Fumino, Etsuyo Ogo , Ryohei Sasaki
    • 学会等名
      第62回日本小児血液・がん学会学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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