研究課題
研究背景・目的:抗HIV療法(antiretroviral therapy, ART)はHIVの複製を抑制し、CD4陽性T細胞数を回復すると共に免疫活性化も抑制する。しかし、CD4細胞サブセット(Th1/Th2/Th17/Th1Th17/Treg)や免疫活性化がどのように変化するのかはっきりと分かっていない。本研究ではART導入する小児を前向きに調査し、長期ARTが小児の免疫状態に及ぼす影響を解明する。2014年から前向き調査を開始した。現在、新たにART導入したHIV感染小児[HIV(+)]48名をフォローしている。ART開始後6/12/18/24/30/36ヶ月にそれぞれ26/30/23/21/7/4名がフォローされた。非HIV感染小児[HIV(―)]79名をリクルートした。ART開始後24ヶ月のHIV(+)小児の免疫状態を、年齢と性別にマッチングしたHIV(―)非感染小児と比べた。ART導入後24ヶ月までに、CD4陽性細胞数およびTh1/Th2/Th17/Th1Th17/TregとCD4-naive/central memory/effector memory subsets/RTE(最近胸腺由来)細胞数、CD8-naive/central memory cells とCD31+CD8-naive subsets 細胞数が有意に上昇し、CD8細胞活性化が抑えられ、HIV(―)群のレベルまでになった。しかし、CD4/CD8比はまだ低く、CD8-effector memory および CD8-CD45RA+ effector memory 細胞数が高いままであった。
3: やや遅れている
1.現在HIV感染小児48名をフォローしている。2.2018年度にHIV非感染小児の解析が終了した。3.2018年度HIV感染小児の担当医の交代、医療保健の変更、治療処方のスケジュールの調整があったため、感染小児のフォローアップに影響があった。
1.ベトナム側と緊密に連携し、今年度に2回の調査実施する。2.ART開始後24ヶ月までの結果をまとめ、国際学術専門誌に投稿する。
ベトナム医療保健システムの変更、HIV感染小児の担当医の交代のため治療処方スケジュールの調整があったため、感染小児のフォローアップが遅れて、解析数が少なめであったため。
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